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G1馬ゼロの菊花賞「キーマン」は福永祐一!? 過去4回から見えた激走する穴馬は

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 今年の菊花賞(G1)はG1馬が不在で話題となっている。

 つまり現3歳が出走可能だった阪神JF(G1)、朝日杯FS(G1)、ホープフルS(G1)、桜花賞(G1)、皐月賞(G1)、NHKマイルC(G1)、優駿牝馬(オークス)(G1)、東京優駿(日本ダービー)(G1)、安田記念(G1)、宝塚記念(G1)、スプリンターズS(G1)、秋華賞(G1)の優勝馬が不在。

 加えて、皐月賞と日本ダービーの1~2着馬がどちらも出走しないのは65年ぶりだという。

 今年は春の二冠で活躍したドウデュース、ジオグリフ、イクイノックス、ダノンベルーガが不在。皐月賞と日本ダービーで4着以内だった馬で、菊花賞に出走するのはアスクビクターモアのみ。またホープフルS優勝馬キラーアビリティはアルゼンチン共和国杯(G2)、NHKマイルC優勝馬ダノンスコーピオンは富士S(G2)へ向かった。

 

■皐月賞上位4頭の秋ローテーション

1着 ジオグリフ→天皇賞・秋
2着 イクイノックス→天皇賞・秋
3着 ドウデュース→凱旋門賞
4着 ダノンベルーガ→天皇賞・秋

 

■日本ダービー上位4頭の秋ローテーション

1着 ドウデュース→凱旋門賞
2着 イクイノックス→天皇賞・秋
3着 アスクビクターモア→菊花賞
4着 ダノンベルーガ→天皇賞・秋


 1986年以降、G1馬が不在だった菊花賞は8回あるが、今回はローテーションやレース体系を考慮し、過去10年に絞って検証したい。この10年でG1馬が不在だったのは4回あり、結果は以下のようになっている。

 

■2013年

1着 エピファネイア(1番人気)
2着 サトノノブレス(5番人気)
3着 バンデ(3番人気)

■2015年

1着 キタサンブラック(5番人気)
2着 リアルスティール(2番人気)
3着 リアファル(1番人気)

■2019年

1着 ワールドプレミア(3番人気)
2着 サトノルークス(8番人気)
3着 ヴェロックス(1番人気)

■2021年

1着 タイトルホルダー(4番人気)
2着 オーソクレース(3番人気)
3着 ディヴァインラヴ(6番人気)


 この結果で興味深いのは、上位2頭が1~3番の上位人気で決着したことは一度もないということ。そして、どの年でも5番人気以下の穴馬が馬券に絡んでおり、波乱の傾向にあることは間違いない。

 また、この4回の三連単はすべて万馬券決着だが、大荒れとはならず中波乱といった印象。どれも8番人気以内で決着しており、超人気薄馬の激走はない。人気薄馬に目が行きがちだが、5~8番人気あたりから穴馬を探すことで、好配当が狙えそうだ。

 特に5番人気以下で3着内に入った馬はいずれかの条件に該当している。


・関西馬
・前走は菊花賞トライアルで3着以内、もしくは芝2200m以上の2勝クラス特別戦を勝利
・前走は9月に出走
・騎手にG1勝利実績
・2200m以上の距離で3着以内の実績
・470kg以上の大型馬
・デビューから2戦以内に勝利

 以上の内容に該当するのが、関西馬で宮本博厩舎の【ボルドグフーシュ】だ。

 前々走で2勝クラスの特別戦を勝利し、前走は9月に行われたトライアルの神戸新聞杯(G2)で3着。阪神・芝2400mで勝利実績があり、芝2000mを超えるレースは4戦2勝3着2回の好成績。現在5戦連続で上がり最速を記録する豪脚の持ち主で、前走に続き吉田隼人騎手が騎乗するのは心強い。5~7番人気あたりが想定される今回は絶好の狙いどころとなっており、このボルドグフーシュは馬券から外せない。

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福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 また、この4回すべてで福永祐一騎手が馬券に絡んでいることも伝えておきたい。

 2013年のエピファネイア、2015年リアルスティール、2019年サトノルークス、2021年ディヴァインラヴ。人気馬も人気薄馬もすべて好走させており、G1馬不在となれば、騎手の手腕が活きることを証明しているように思える。

 今回、福永騎手が騎乗するのは【セレシオン】。上記の条件からひとつ足りないが(前走8月に出走)、長距離戦に実績のある友道康夫厩舎の管理馬で、前走は阿賀野川特別(2勝クラス)を上がり最速、3馬身以上の差を付けて快勝。大外18番枠はプラスとは言えないが、騎手で押さえたい一頭だ。

 以上、今年の菊花賞はG1馬不在の混戦模様だが、ボルドグフーシュ、そしてセレシオンの2頭を穴馬候補として推奨したい。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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