
【JBCクラシック(G1)展望】新旧王者テーオーケインズVSメイショウハリオがガチンコ対決!

3日、JBCの3競走が盛岡競馬場で行われる。最終12Rに組まれているのは第22回を迎えるJBCクラシック(G1)だ。ダート左回りの2000mに中央・地方から総勢15頭が集結した。
2年連続で主役を務めるのはテーオーケインズ(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎)だ。金沢で開催された昨年はオメガパフュームやチュウワウィザードを押しのけ1番人気に支持されたが、スタートで後手を踏むと、道中うまく流れに乗れず4着と期待を裏切った。
ただし、昨年テーオーケインズが他馬の後塵を拝したのはこの1戦だけ。G1・2勝(帝王賞、チャンピオンズC)を含めて、5戦4勝という充実した1年を過ごした。特にチャンピオンズCでは6馬身差の圧勝劇で、文句なしのJRA最優秀ダートホースにも輝いた。
現役最強ダート馬に上り詰めたはずのテーオーケインズだったが、今年はここまで3戦1勝。5月の平安S(G3)こそ力の違いを見せたが、初戦のサウジC(G1)が8着、連覇を狙った帝王賞は4着と、いずれも馬券圏外に沈んでいる。
絶対王者の座が危ぶまれる状況に陥ったテーオーケインズ。今回も不安が幾つかある。1つ目がやはりスタートだろう。前走も脚を滑らせるような形でゲートを出ていたのは気になるところ。また、先行脚質の同馬にとって枠順も懸念材料となりそう。本格化した後はほぼ内目の偶数枠を引いていたが、今回は7枠13番。外枠かつ先入れの枠順は試練となるかもしれない。
ただし、盛岡2000mは最初のコーナーまで約500mと距離があり、多少の出遅れがあっても挽回は可能。小回りでコーナーを6回通過した昨年の金沢よりはうまく流れに乗ることはできるはずだ。
信頼のパートナー、松山弘平騎手とともに1年越しのリベンジを見据える。
昨年の帝王賞を制したテーオーケインズに対し、今年の帝王賞を制したのがメイショウハリオ(牡5歳、栗東・岡田稲男厩舎)だ。
こちらは対照的に絶好枠の4枠6番を引き当て、帝王賞から休みを挟んで、G1・2連勝を狙う。
テーオーケインズとは同じ5歳馬だが、本格化の兆しを見せたのはちょうど1年前。昨年11月のみやこS(G3)で初コンビを組んだ浜中俊騎手に導かれ、重賞初出走初勝利を飾った。
続くチャンピオンズCは力負けともいえる内容で7着に敗れたが、年明け初戦のマーチS(G3)で重賞2勝目。平安Sでは再びテーオーケインズに後れを取ったが、3度目の直接対決となった帝王賞で5番人気の下馬評を覆し、初先着となるG1勝利をもぎ取った。
4度目の直接対決で成績をイーブンにできるか。また、前走がフロックでなかったことを証明するためにも、試金石の一戦となる。
“2強”の間隙を突くなら、古馬と2kgの斤量差がある3歳勢の3頭だろう。02年のアドマイヤドンを最後に3歳馬による勝利はないが、現3歳世代は芝・ダート問わずハイレベルと言われており、天皇賞・秋(G1)ではイクイノックスが古馬に世代交代を突きつけたばかりだ。
3頭の中でも最注目はクラウンプライド(牡3歳、栗東・新谷功一厩舎)だろう。
デビューから2連勝を飾り、3連勝を懸けたヒヤシンスS(L)で6着に敗れたものの、陣営は海外遠征を決断。3月のUAEダービー(G2)を6番人気で勝利した。
この勝利で自信をつけると、5月にはアメリカへ転戦し、ケンタッキーダービー(G1)に挑戦。結果は13着に終わったが、歴史的ハイペースを道中2番手で進み、4角先頭という積極策を見せている。国内復帰戦は9月の日本テレビ盃(G2)。古馬とは初対戦で3番人気に甘んじたが、2着と力を示した。
その日本テレビ盃で1番人気を裏切り4着に敗れたのがペイシャエス(牡3歳、美浦・小西一男厩舎)だ。
デビュー戦勝利後は凡走もあったが、5戦目に1勝クラスを突破すると7戦目のユニコーンS(G3)で重賞初勝利。差し、追い込み馬が2~4着を占める中、本馬は好位4番手からしぶとく脚を伸ばした。
3番人気で迎えた続くジャパン・ダート・ダービー(G1)ではノットゥルノを僅かにとらえきれず2着。そして前走・日本テレビ盃も人気を背負った分、きつめのマークに遭い最後は伸びきれなかったか。盛岡のスピードが求められるダートなら一発があってもおかしくはないだろう。
8月のレパードS(G3)を7番人気で制覇したカフジオクタゴン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は550kg近いパワフルな馬体の持ち主だ。
前走の白山大賞典(G3)は3着に敗れたが、2100mの距離もやや長かったか。それでもケイアイパープルから0秒5差と健闘しており、1800mに戻る今回は前走以上のパフォーマンスが期待できそうだ。
2走前の西日本スポーツ杯(3勝クラス)を勝ち、オープン入りを果たしたクリノドラゴン(牡4歳、栗東・大橋勇樹厩舎)も注目の1頭。過去4勝すべてを挙げている武豊騎手とのコンビは相性抜群で、天皇賞・秋(G1)の裏で好騎乗を連発したレジェンドが、盛岡でも“マジック”を見せてくれるかもしれない。
地方勢で1頭名前を挙げるとすれば、前走の日本テレビ盃でJRA勢を撃破したフィールドセンス(牡8歳、船橋・山下貴之厩舎)だろう。地方の砂とマッチしたのか、船橋に移籍後は3戦2勝の好成績で、8歳馬だが侮れない。
この他には、重賞2勝のオーヴェルニュ(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)も左回りが舞台なら一発があっても不思議はない。
テーオーケインズとメイショウハリオの新旧帝王賞覇者による一騎打ちとなるのか、芝に続いてダートでも3歳馬が古馬を一蹴するのか。注目のJBCクラシックは3日の18時40分に発走を予定している。
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