
「黄金世代」の蹂躙に一石投じるか!? 「低レベル疑惑」の3歳世代に勝負の1週間

天皇賞・秋(G1)は3歳馬のイクイノックスが制覇。これで昨年のエフフォーリアに続き、2年連続で若い力が古馬の経験を上回る結果になった。先日行われた富士S(G2)でも3歳馬のセリフォスが勝利し、同世代の3着ダノンスコーピオン共々、本番のマイルCS(G1)が楽しみになるパフォーマンスを見せている。
中距離とマイル路線でそれぞれ存在感を放つ3歳世代だが、ダート路線の馬に目を向けると、ここまでは小粒感が拭えない印象だ。中央所属馬で古馬との対決を制して重賞勝ちしたのは牝馬のグランブリッジのみ。日本テレビ盃(G2)、シリウスS(G3)、白山大賞典(G3)といったレースで3歳馬は古馬の壁に跳ね返されている。
特に問題なのは、上記レースに世代の中心馬が参戦していた点だ。ジャパンダートダービー(G1・以下JDD)の勝ち馬ノットゥルノは日本テレビ盃7着。JDD2着のペイシャエスは日本テレビ盃4着。JDD3着のブリッツファングは白山大賞典5着にそれぞれ敗れている。世代限定重賞のレパードS(G3)組も、勝ち馬のカフジオクタゴンが白山大賞典3着、3着馬ハピがシリウスSで2着と勝ち切るには至っていない。
春先はクラシック路線に矛先を向け、先日のダート復帰戦でコースレコードを更新したデシエルトが世代最強との声も上がるが、同馬は残念ながら左前脚を骨折してしまい、半年以上の離脱を強いられることになりそうだ。
3歳馬が古馬と本格的にぶつかっていくのはこれからであり、世代レベルを論じるには時期尚早だろう。
しかし、ダート界の盛り上がりという意味では、早い段階で結果が欲しい事情もある。
「3歳秋以降、中央のダート重賞11レースに出走馬を送り出しながら、未勝利が続いている現4歳世代もダート路線では振るっていません。一つ上の世代は同期間(3歳秋〜4歳秋)に5勝しているように差は歴然です。4歳馬は地方重賞勝ちもシャマルとバーデンヴァイラーのみで、苦戦が続いているといわざるを得ませんね」(競馬誌ライター)
現在のダート路線はカフェファラオ、テーオーケインズ、メイショウハリオといった5歳馬が中心。直近の中央ダートG1はこの世代が3連勝中で、地方G1もかしわ記念(G1)→帝王賞(G1)→マイルCS南部杯(G1)と直近の3レースは全て5歳馬が制している。
彼ら5歳世代は依然として現役バリバリだが、下の世代の突き上げがあってこそより盛り上がるというもの。4歳世代が期待薄なだけに、3歳馬の奮起には期待したいところだ。
「低レベル疑惑」の3歳世代に勝負の1週間
早くも正念場といえるかもしれない3歳馬は勝負の週を迎えている。3日に行われるJBCクラシック(G1)には、UAEダービー(G2)を制し、ケンタッキーダービー(G1)にも挑戦したクラウンプライドが出走。前述のペイシャエスとカフジオクタゴンも参戦予定だ。同日のJBCレディスクラシック(G1)には、世代で唯一重賞での古馬撃破実績を持つグランブリッジが出走する。
また、6日開催のみやこS(G3)を予定している3歳馬3頭も、世代限定重賞で3着以内の実績がある“世代の中心馬”。特にハピとタイセイドレフォンは人気が予想されており、結果が求められる一戦になりそうだ。
厳しいスタートになった3歳のダート勢だが、短期間での成長力がこの時期の魅力でもある。JBCクラシックには“ダート黄金世代”のテーオーケインズやメイショウハリオも待ち受ける。低レベルという前評判を覆し、3歳世代がダート界に新しい風を吹かせられるか注目したい。
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