【マイルCS(G1)予想】シュネルマイスターは切り!人気薄指名で的中を狙う
今回はG1・8週連続開催の第2戦にして秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンS(G1)を予想していく。
いつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。昨年、一昨年は阪神1600mの開催だったが、データに大きな違いがないのでまとめて挙げておく。
富士S 7頭
スワンS 6頭
天皇賞・秋、毎日王冠 各5頭
安田記念、スプリンターズS 各2頭
札幌記念、京都大賞典、府中牝馬S 各1頭
となっている。前走は重賞クラスのみ。前哨戦となる富士S(G2)とスワンS(G2)組で約半数、天皇賞・秋(G1)と毎日王冠(G2)まで含めると過半数がこのローテーションで好走している。2400mの京都大賞典(G2)からの好走例もあるが、基本は1400mから2000mのレースを使われて臨む馬が中心だろう。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 2-2-2-4
2番人気 1-4-0-5
3番人気 2-4-0-4
4~6番人気 4-0-5-21
7~9番人気 1-0-3-26
10番人気以下 0-0-0-85
となっている。上位人気がそれほどアテにできない感じだ。近5年では3年連続で連対を果たしているが、該当するのが昨年、一昨年のグランアレグリアの勝利と3年前のダノンプレミアムの2着なので、このくらい抜けた馬がいればこうなる、という話だろう。上位人気馬が全部飛んだ年はないので、上位人気2頭程度+中穴馬の組み合わせが無難な選択のように思える。
ちなみに、今週も日曜日の阪神競馬場には降雨の予報が出ている。バラつきはあるが、どうやら開催時間中に雨が降るようで、先週とあまり変わらない状況になるのではないかと思われる。だが、先週はここで馬場に重きを置いたがためにまるで当たらずの予想になってしまった。今週はその轍を踏まないために、重馬場適性は考慮するがまるでダメという馬でない限りは通常通りの視点で進めていこうと思う。
これを踏まえて「◎」は人気サイドだが5番サリオスとする。
前走は毎日王冠。中団に控える競馬。直線で狭いスペースを割って一気に伸び、ゴール前の叩き合いを制してレコード決着の1着だった。
この馬にはあまり重い印を打った記憶がないのだが、人気薄になっていた安田記念(G1)でしっかり伸びて3着を確保。さらに前走は2年ぶりに同レースを制覇ということで、今回はようやく調子が乗ってきたように見える。
陣営からは前走がレコード決着だったことで「回復が遅れた」との話だったが「加減なくきっちり乗り込んで仕上がった」との話。ちなみに2年前は毎日王冠を3歳で勝利し、今回と同じく目標をこのレースに定めて2番人気に推されたが5着。ここから連敗街道が始まっている。これが不安材料ではあるが、さすがに陣営も同じ轍を踏むことはあるまい。
阪神マイルは朝日杯FS(G1)で今回と同じR.ムーア騎手騎乗で勝利しており、陣営も必勝態勢と見た。人気サイドではあるが、今回はそのやる気に乗ってみたい。
「○」は11番ソウルラッシュを挙げたい。
前走は富士S。外目から中団よりやや後ろ目に控えて競馬を進め、直線では同枠だったダノンスコーピオンと叩き合いになり、クビだけ競り勝って2着を確保。
昨年末から今年の春にかけて4連勝でマイラーズC(G2)を制し、その余勢を駆って安田記念に出走するも13着に大敗。前走はそこからの休み明けで2着しており、内容は悪くなかった。
陣営も「一叩きして良化している」こと、「コース替わりと降雨は歓迎」として色気を見せている。実際、色気を見せるだけの内容はあった。前走は前がほとんど残れない差し馬天国のレースなのだが、後ろから上がり2位となる33.5秒で上がってきており、上がり32秒台も出るこのレースで対応できるだけの切れ味もある。
そして陣営も降雨歓迎としているが、稍重以下で3勝を挙げており重馬場巧者であることは確か。馬場が渋ってもいい脚を使えるのは魅力だ。この馬も押さえるだけの価値は十分あると見る。
「▲」は15番ダノンスコーピオンを推す。
こちらも前走は富士S。ソウルラッシュより前で競馬を進めており、直線で後ろから来たソウルラッシュに並ばれて叩き合いになったところ競り負けて3着となった。
前走は古馬との初対戦ということで割り引いて切り評価を下したが、3着までは確保した。善戦したと思えるし、レースでは負けてなお強しという印象を持った。
また、陣営の鼻息が荒い。前走は「前哨戦ということで割り切っていた」ところしっかり好走したこと、「叩いて良化しており状態はピーク」にあり、「展開にも注文はつかず阪神コースは大歓迎」で好勝負必至としている。
この馬の戦績を見ると1着→1着→3着→7着→1着→1着→3着とパターンができており、この順番でいくと次は7着凡走の番なのだが、強いて言えばこれが引っかかる程度。今回は積極的に押さえたい。
「△」は3番ダノンザキッド、人気サイドの6番ソダシ、穴馬の7番ジャスティンカフェの3頭とする。
ダノンザキッドの前走は毎日王冠。発走前にトラブルがあり外枠発走になったが、前目で競馬を進め、直線でも粘り込んで3着に入った。
この馬に関して、あまり高い評価をしていないのは確か。毎日王冠の予想でも切り評価だったが、同じダノンのダノンスコーピオンと同じく3着までは入ってきた。関屋記念(G3)で3着に留まった点で実力を見切ったのだが、毎日王冠の思わぬ好走で評価を改める必要がありそうだ。
関西馬にもかかわらず阪神は2走しかしていないのだが、2走とも馬券圏内。そのうち1走は3歳の凡走続きを止めた昨年のこのレース。女王グランアレグリアを相手に0.2秒差の3着まで迫ってきた。ここから考えるに、阪神にコース替わりするのは吉と出る可能性がある。
陣営も「競馬場に入ると入れ込みがちな点が懸念点」としながらも、「気性面がクリアできればパフォーマンスを発揮できる」とコメント。勝ち負けはどうかと思うし、ダノンが2頭出ししており、明らかにスコーピオンの方に可能性を見いだしている。そういう意味で割り引いたが、人気も落ちており一発があるなら面白い。
ソダシの前走は府中牝馬S(G2)。いつものように前目につける積極策からゴール前まで先頭の勝ちパターンだったが、イズジョーノキセキの強襲に遭って2着に敗れた。
前走は1800m戦。2歳時にはこなしていた距離ではあるが、漏れ伝わってくるように成長につれて適距離がはっきりしてきたということで、最後の1ハロンに踏ん張りが利かなかったということなのだろう。
芝のマイル戦は4戦4勝、阪神でも阪神JF(G1)と桜花賞(G1)の2勝を挙げており、コース・距離とも好相性なのは確実。これだけでも十分◎まで打てるほどの実績なのだが、このレースの傾向として、上でも触れたが前が残れない差し馬天国というのがある。
道中2番手から3着というケースは2例あり、逃げ切りも1例ある。なので、まったく可能性がないとは言わないが、ソダシに向かない傾向なのは確か。陣営も阪神コースが向いている点を挙げ、「時期的に調整も順調だった」としながらも、牡馬の強豪と当たるに際して「斤量差を活かせれば」とややトーンが低い。
白毛のアイドルがG1・4勝目を挙げれば盛り上がることだろうが、今回は厳しいと見て押さえはするが期待値は低めである。
ジャスティンカフェの前走はダノンザキッドと同じく毎日王冠。こちらは出脚が鈍かったこともあって中団に控え、直線で上がり最速の脚で上がってきて2着を確保した。
G1経験がなく、重賞勝ちすらないので評価は低いが、2走前のエプソムC(G3)とアーリントンC(G3)で馬券圏外に飛んでいる以外の9戦はすべて馬券圏内という堅実派。
強みは、上がり32秒台の脚を使える切れ味だろう。このレースは切れ味勝負になることが多いので有利に働くことは間違いない。陣営も「状態は申し分ないので一発狙いたい」と強気だ。ただし、この馬が負けた2つの重賞はいずれも重馬場でのもの。新馬戦は不良馬場で着差をつけて勝ってはいるが、渋った馬場は不利に働きそうだ。その分だけ割り引いて押さえておく。
人気どころでは4番シュネルマイスターと10番セリフォスを切り。
シュネルマイスターの前走はスプリンターズS(G1)で、後方待機策を採り、直線勝負に懸けたが不利を受けたことが影響したか、思うように伸びず9着に敗れている。
前走に関しては2走前の安田記念2着もあって人気していたが、初のスプリント戦ということもあって結果的に短すぎたという見方はできる。NHKマイルC(G1)の覇者であり、安田記念とこのレースに2着の実績があるので人気するのは当然と言えるし、実際勝ち負けしても不思議はない。
だが、ローテーションが引っかかる。スプリンターズSを経由して好走した例はあるのだが、2回あって片方は一昨年のグランアレグリアで1着からの臨戦。もうひとつは16年のミッキーアイルでこちらは2着からの臨戦ということで、9着は負けすぎている。
上にも書いたように適距離でなかったと言えばそれまでだが、巻き返しは難しいのではなかろうか。陣営も「仕上がりは文句なし」「マイルなら楽しみ」としているが、穿った見方をすれば「楽しみ」程度のものとも取れる。良くて掲示板と見て切りとする。
セリフォスの前走は富士Sで、中団より後ろにつける競馬で直線抜け出し勝利を挙げている。
この前走は強さこそ感じなかったが、人気を背負ってきっちり勝ったという印象。陣営からも「前走は理想的な競馬」をしたとして「中間の動きも良く阪神コースは大丈夫」とコメントが出ているが、漏れ伝わる話だと「前走でメイチの仕上げにしてしまった」関係で「ここで上積みがない」という声も聞こえてくる。
その話の真偽はさておき、火のないところに煙は立たない。前走をメイチに仕上げないと同世代のダノンスコーピオンやソウルラッシュのような古馬に勝てないレベルだと、ここで出番はなかろう。
ということで、今回は3番、5番、6番、7番、11番、15番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。人気が割れているので、各馬のオッズが全体に低めに出ているが、組み合わせ次第で好配当も狙えそうだ。
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