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逃げても上がり最速「噂の怪物」が圧巻デビュー!将来的に武豊とコンビ結成も?

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 先週末のマイルCS(G1)は、大外から驚異的な末脚を披露したセリフォスが、待望の初G1勝利。改めて3歳世代のレベルの高さを証明する結果に終わった。

 ここまで3度挑戦したG1は、朝日杯フューチュリティS(2着)、NHKマイルC(4着)、安田記念(4着)と惜敗していたが、初騎乗のD.レーン騎手も抜群のエスコート。春からの成長をまざまざと見せつけた。

 好メンバーの揃った一戦を快勝したことで新マイル王として申し分のないインパクトを残した。しばらくの間、この馬の天下が続きそうな雰囲気だ。

 その一方で、盛り上がりを見せたマイルCSから遡ること約4時間前。4Rの2歳新馬(芝2000m)もまた、阪神競馬場に詰め寄せた多くのファンを驚かせた。

期待の素質馬がまた一頭登場!

 当事者となったのは、このレースを2着馬に6馬身の差をつけて楽勝したタッチウッド(牡2、栗東・武幸四郎厩舎)である。

 同馬は栗東のCWでラスト1Fを2歳馬ながら10秒7で駆け抜けたこともあり、デビュー前から「とんでもない2歳馬がいる」と噂された怪物候補。短期免許で来日中のR.ムーア騎手がデビュー戦の手綱を任されていた。

「良いレースでした。気が良く、体もどっしりとした馬です。リズム良く持って行けました。本当に良かったです」

 レース後にムーア騎手がそう振り返ったように、出てくる言葉も絶賛ばかり。524キロという雄大な馬体も、楽に先手を取れるレースセンスの良さも目立った。血統的にも父にドゥラメンテ、半兄には今年のエプソムC(G3)を制したノースブリッジと期待できる要素は十分ある。芝の2000mを初戦に使われたことも、来春のクラシックを意識してのことだろう。

「噂通りの実力なら単勝オッズ1倍台でも不思議ではないと思っていましたが、むしろ2.1倍も付いたのですから美味しい配当でした。レースの内容も回ってきただけという感じでしたし、まだまだ伸びしろを感じられる内容だったと思います。

 行く馬がいないから仕方なく逃げたようにも映りましたが、最後の直線に入っても後続馬に影も踏ませない大楽勝でした。時期的に暮れの朝日杯FS(G1)やホープフルS(G1)の参戦は期待薄ですけど、来春のクラシック候補として申し分ない内容でしたね」(競馬記者)

 逃げてもラスト3Fで最速上がりをマークし、そのラップも11秒8-11秒0-11秒2なのだから、まるで単走の追い切り代わりのようなもの。重賞で1番人気に推された馬の敗戦が目立つ2歳世代には朗報となった。

 また、タッチウッドを管理しているのが武幸四郎調教師というのも注目したい。今回はムーア騎手が騎乗したとはいえ、同騎手は短期免許で来日中の外国人騎手。期間が終了すれば帰国するため、乗り替わりは避けられないだろう。

 となると、そこで気になるのは武豊騎手と厩舎の関係性だ。弟の幸四郎師としても兄が管理馬に騎乗してのG1制覇は悲願となる。オーナーの吉田和美氏もこの厩舎に預託したなら、武豊騎手との繋がりはおそらく承知しているはず。将来的にコンビ結成の可能性もあるだけに、今後も目が離せない1頭だ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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