武豊「因縁オーナー」と約3年ぶり勝利も、騎乗数増加が見込めないワケとは
レジェンドがあのオーナーの所有馬で久々の勝利だ。
27日、ジャパンCデーの東京1Rに行われた2歳未勝利(ダート1400m)は、ハナを奪った武豊騎手の1番人気プラチナジュビリー(牝2歳、美浦・田村康仁厩舎)が後続を寄せ付けず完勝した。
フルゲート16頭の一戦。武豊騎手とプラチナジュビリーは外枠14番から気合をつけて先手を取ると、マイペースの逃げを展開。前半3ハロンを34秒8で通過して最後の直線に入る。
残り400mで後続との差を広げにかかると、直線半ばでは独走の状態に。最後は脚がやや上がり加減になったが、2着に2馬身差をつけて堂々と押し切っている。
「危なげのない逃げ切り勝ちでした。前走から距離が1ハロン短縮されたのもよかったのでしょう。母カホマックスは1400m以下の距離で4勝しただけに、娘のプラチナジュビリーも短い舞台で本領を発揮してくれそうです」(競馬誌ライター)
レース後には武豊騎手も「いかにも短距離向き」「セーフティリードを取る競馬でうまくいきました」と、してやったりのコメント。テン乗りにもかかわらず見事な逃走劇で同馬に初白星をプレゼントした。
「因縁オーナー」と約3年ぶり勝利も…
そんな武豊騎手は、かつてワールドプレミアで2019年の菊花賞(G1)を勝っているが、本馬を所有する大塚亮一オーナーとのコンビは約3年1ヶ月ぶりの勝利だった。
同騎手はワールドプレミアとデビュー戦から全レースでコンビを組んでいたが、ケガなどもあってか昨年の天皇賞・春(G1)を前に降板。新たに福永祐一騎手の手綱で臨んだ同馬は、見事に春の盾を勝ち取っている。
同馬はその後、武豊騎手が一度も跨ることなく引退。レジェンドと大塚氏のタッグも昨年2月を最後に途絶えたことから、一部ファンの間では仲違いもささやかれた。
しかし、今年1月の若駒S(L)でリアドに騎乗したことで、約11ヶ月ぶりに雪解け。レースでは1番人気に応えられず2着に敗れたが、復縁から3鞍目となった今回のプラチナジュビリーで待望の白星を飾った。
だが、今回の勝利を機にまたコンビ復活かといわれると、騎乗数増加はそれほど見込めそうにないようだ。
「大塚オーナーは事務所を大阪に構えていることもあって、これまで所有馬の多くを関西の有力厩舎に預託。しかし、今年の2歳馬に栗東所属は1頭もおらず、所有する9頭すべてが美浦所属となっています。
ちなみに3歳世代も現時点で関西馬はリアドとセレブレイトガイズの2頭のみ。近年では栗東と疎遠になりつつあることから、武豊騎手とコンビを組む機会もそれほど増えることはないのではないでしょうか」(同)
ただ、今回の東京1RにはジャパンC(G1)でコンビを組んだハーツイストワールと同じ国枝栄厩舎で、懇意にしているキーファーズの松島正昭氏が設立したインゼルレーシングの所有馬シュバルツガイストも参戦していた。
にもかかわらず、武豊騎手が大塚氏のプラチナジュビリーに騎乗したことは、なかなか興味深いといえるかもしれない。両者の今後の行方にも注目してみたい。
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