【香港ヴァーズ展望】海外同一G1・3勝へ、グローリーヴェイズがラストラン!
11日、香港のシャティン競馬場では4つのG1からなる香港国際競走が行われる。その先陣を切るのは、芝2400mが舞台の香港ヴァーズ(G1)だ。日本馬は2頭がエントリーした。
現地でも1番人気の評価を受けそうなのは、2019年と21年に当レースを制しているグローリーヴェイズ(牡7歳、美浦・尾関知人厩舎)だ。
今年は3月のドバイシーマクラシック(G1)で始動。5頭いた日本馬の中では4番目の8着に敗れ、期待を裏切る結果となった。
5か月の間隔を空けて臨んだ前走の札幌記念(G2)は、中団後方から徐々に進出したが、伸びを欠き6着まで。2戦続けて掲示板を外したのはキャリア初の屈辱だった。
ただ、7歳を迎えたグローリーヴェイズに“衰え”という文字はない。デビューから無理のないローテーションで休み休み使われており、今回がまだ20戦目。使い減りしていない馬体はとても7歳馬のそれとは思えないほどだ。
ただし、このレースがグローリーヴェイズにとってのラストランとなる。国内では結局G2・2勝に終わったが、相性のいいシャティンなら有終の美を飾る可能性は高いだろう。
これまで海外G1を3勝したJRA所属馬はラヴズオンリーユー、モーリス、エイシンプレストンの3頭。ただ同一レースで3勝した馬はいまだ出ておらず、グローリーヴェイズの快挙達成に注目が集まる。
鞍上は過去2回の優勝時に手綱を取っていたJ.モレイラ騎手を予定している。ただ、同騎手は母国のブラジルに滞在中で、レース前に香港に入国したあと、メディカルチェックを受け、それをクリアする必要があるという。
グローリーヴェイズは最も信頼のおけるパートナーを背に引退レースを迎えることはできるか。
札幌記念でそのグローリーヴェイズに先着したウインマリリン(牝5歳、美浦・手塚貴久厩舎)が逆転候補。これまでG2を3勝、G1・2着が2回を数えるが、そのすべてを2000m以上の距離でマークしており、ここでもチャンスは十分ある。
肘の不安と闘いながら競走馬生活を送ってきたウインマリリンだが、今は症状もかなり改善。今年下半期は札幌記念で3着に入ると、エリザベス女王杯(G1)でジェラルディーナの2着(同着)と本来の走りを取り戻している。
特に前走は外差し馬場で追い込み勢が台頭する中、早めに抜け出す積極策で2着に粘り切ったのは非常に価値が高かった。
5歳秋にして初の海外遠征、しかも牡馬相手の2400m戦は決して楽ではないが、現地での評価は高く、グローリーヴェイズに次ぐ2番人気に支持するオッズメーカーも少なくない。
鞍上はエリザベス女王杯に続きD.レーン騎手と2度目のタッグ。この秋絶好調のレーン騎手はエリザベス女王杯を起点にマイルCS(G1、セリフォスで優勝)、ジャパンC(G1、ヴェルトライゼンデで3着)と連続で馬券内に持ってきている。香港でも冴えわたる手綱さばきを見せたいところだ。
日本馬2頭に相対するのは世界から集結した中長距離馬たちである。
日本のファンに最も馴染みがあるのは、クールモアとキーファーズが共同で所有するアイルランドのブルーム(牡6歳、愛・A.オブライエン厩舎)だろう。
昨年のジャパンCにも参戦したのは記憶に新しい(結果は11着)。昨年の当レースにも出走を予定していたが、ジャパンC後に骨折が判明し回避していた。その後、5月に復帰すると、半年間で7戦をこなすタフネスぶりを見せつけている。
近走はやや不振に陥っているが、これまで世界各地を転戦し、重賞を6勝している実績は伊達ではない。
鞍上は21年凱旋門賞(G1)以来となる武豊騎手に決定。世界のレジェンドが古豪ブルームを頂点へと導けるか。
同じくオブライエン厩舎の新鋭がストーンエイジ(牡3歳、愛・A.オブライエン厩舎)だ。
今年3月、休み明けのデビュー6戦目で初勝利を飾ると、世界を転戦しながら約8か月間で8戦を消化している。
前走のBCターフ(米G1)では、勝ち馬のレベルスロマンスには突き放されたが、混戦の2着争いを制しており、55kgの斤量も相まって怖い存在といえそうだ。
セニョールトーバ(セ5歳、香港・C.ファウンズ厩舎)は、昨年夏にオーストラリアから香港の名門ファウンズ厩舎に移籍。香港では3戦目に初勝利を挙げると、今年5月にはクイーンマザーメモリアルC(G3)で重賞制覇を遂げた。
その後は勝利こそないが、直近4戦で3着3回と好走を続けている。オーストラリア時代も含めて2400mでは「1-1-1-0」と全て馬券圏内に入っており、ここでも侮れない。
ボタニク(セ4歳、仏・A.ファーブル厩舎)は、2走前のドーヴィル大賞(G2)で日本のステイフーリッシュに勝利したフランス馬。これまで2400m以上のレースでは、7戦6勝の好成績を残しており、スタミナ比べになれば浮上する。
この他にもドイツからの刺客メンドシーノ(牡4歳、独・S.シュタインベルク厩舎)、今年のサンクルー大賞(G1)でアルピニスタと差のない競馬をしたバブルギフト(牡4歳、仏・M.デルザングル厩舎)などの名前も覚えておきたい。
グローリーヴェイズが有終の美を飾れるか、それともウインマリリンが悲願のG1制覇を果たせるか。香港ヴァーズの発走は15時ちょうどを予定している。
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