主役を襲った川田将雅「離脱」の大誤算…不運の使い捨て男に挽回のチャンス?

11日、阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、アルテミスS(G3)を優勝したラヴェルと同2着リバティアイランドの二強ムードが濃厚だ。『netkeiba.com』で公開されている単勝の予想オッズでも両馬の人気が拮抗しており、3番手以降の馬を大きくリードしている。
前走は最後の直線でスムーズな進路を取れなかったリバティアイランドを尻目に出遅れたラヴェルが後方から外を回して出し抜くような格好で先着。敗れはしたものの、ゴール前で猛追したリバティアイランドの末脚は一際目を引くものだった。
中内田充正厩舎と川田将雅騎手のコンビは、3年前の阪神JFに大本命のリアアメリアで挑んだが、5馬身差のレコードで逃げ切り勝ちを収めたレシステンシアに敗れた苦い記憶もある。
公私に渡って昵懇の仲である黄金コンビも朝日杯フューチュリティS(G1)はダノンプレミアム(2017年)、グレナディアガーズ(2020年)で制したものの、2018年に阪神JFを制したダノンファンタジーはC.デムーロ騎手の手綱だった。再び訪れた絶好のチャンスを川田騎手でという想いはあっただろう。
しかし、後は結果を待つのみというタイミングで思わぬ報せが舞い込んだ。6日に香港ジョッキークラブが発表した情報によると、川田騎手に新型コロナウイルスの陽性反応が確認されたという。
そのため、7日に騎乗を予定していた香港騎手招待競走「インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ」への参加は見送られ、まだ確定はしていないとはいえ、今週末の騎乗も不鮮明に近い状況となってしまった。
中内田厩舎にとってもこれは大誤算であり、阪神JFに出走するリバティアイランドの鞍上問題にも発展する。そしてこれは、土曜中京のメインレース・中日新聞杯(G3)に出走するプログノーシスについても同様だ。
いずれも厩舎の看板馬として期待の大きな馬であり、負けられない一戦を川田騎手が離脱した状況で臨むこととなる。これを受けてネットの掲示板やSNSでは、ファンの間で早くも乗り替わり候補の推理が始まったが、中でもとある騎手にとりわけ大きな注目が集まった。
不運の使い捨て男に挽回のチャンス?
中内田厩舎のJRA重賞勝ちは、最多20勝を挙げる川田騎手でイメージ通りだが、2番目に勝ち星を挙げている騎手となると、即答できるファンは多くないかもしれない。
トップの川田騎手と大きな差があるものの、3勝で並ぶ2位タイが実は2人いる。1人目のC.デムーロ騎手は、既に多くのG1勝利もある外国人騎手だが、もう1人の藤岡佑介騎手については、意外に感じたファンがいるかもしれない。

藤岡佑騎手が挙げた3勝の内訳は、2020年阪神C(G2)のダノンファンタジー、昨年のデイリー杯2歳S(G2)と今年の富士S(G2)のセリフォス。特に後者はG1前の前哨戦で騎乗を任されて勝利という最高の結果を残したにもかかわらず、本番では外国人騎手に乗り替わる不運もあった。
だが、今週末に限っては川田騎手が不在の上にD.レーン、C.デムーロ、R.ムーア、C.ルメールら外国人騎手の騎乗もないだけに、中内田厩舎のスーパーサブといえる藤岡佑騎手にとって絶好のチャンスとなるはずだ。
結果的に使い捨てにされるような格好で降板したセリフォスがマイルCS(G1)を勝っただけでなく、お手馬だったジャックドールも香港C(G1)で武豊騎手へ乗り替わる不運もあった藤岡佑騎手。セカンドドライバーを任されている中内田厩舎の期待馬から、騎乗依頼はあるだろうか。
※リバティアイランドが所属するサンデーサラブレッドクラブの発表によると、前日10日の検査で川田騎手の陰性が確認できれば騎乗可能とのこと。
PICK UP
Ranking
5:30更新
JRA 武豊は信頼度抜群!? 一球入魂ならぬ「一鞍入魂」の信頼度は本当か。川田将雅、横山典弘などトップジョッキーにみる「1日1鞍」限定の“勝負駆け”を探る!
JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?- JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
- 東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 今の競馬ファンは「ハズレ馬券」を投げ捨てない? 競馬場から姿を消した「敗者の断末魔」と感情のままに宙を舞い続けた「ハズレ馬券」の現在
- 巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 【有馬記念】「使い分け」に一石投じた戸崎圭太が意地!ルメールキラーが3勝目で今年の屈辱もスッキリ?
















