
アーモンドアイ厩舎「期待」の良血が踏んだり蹴ったり…遠ざかる日本ダービー初制覇

11日、中山競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、7番人気のラテラルシンキングが逃げ切り勝ち。好スタートを決めて果敢にハナを奪うと、最後まで後続の追撃を許さなかった。
レース後、手綱を取った永野猛蔵騎手は「ゲートも想定より速くて、思ったより当日のテンションも上がらなかった」と実戦での素質を高評価。管理する黒岩陽一調教師も「小柄で仕上がりもよく気もいいタイプ。スタートは練習して問題なかったので作戦通りでした」と明かした通り、人気馬たちを嘲笑うかのような見事な逃走劇だった。
その一方、単勝1番人気に支持されながら、ほぼ見せ場もないまま10着に敗れたのがサトノロワ(牡2、美浦・国枝栄厩舎)だ。
「サトノ」軍団を率いる里見治氏により、昨年のセレクトセールにて1億7600万円と高値で取引されたサトノロワ。母はG1・3勝の米国馬カラライナで、姉には昨年の未勝利戦で2歳日本レコードを叩き出したウィズグレイスがいる良血である。
しかし、肝心のスタートで大きく出遅れてしまうと、道中は外目を追走する苦しい展開。最後の直線に入っても目立った伸び脚は見られず、期待の2歳馬が惨敗を喫した。

「レース後に戸崎圭太騎手が『追い切りの感じは良かった』と話していた通り、1番人気になってもおかしくない馬だったと思いますが、『ペースが速くなったときについていけなかった』とのコメント通り、課題が残るレースになってしまいました。
管理する国枝調教師にとっても、来年のクラシックを見据えた1頭だったと思いますが、デビュー戦とはいえ、これほどの大敗は誤算だったのではないでしょうか。戸崎騎手が『背腰が甘い。(レースを1度)使って良くなれば』と触れていた通り、本当に良くなるまで少し時間がかかるかもしれません」(競馬誌ライター)
また、先週の国枝厩舎の不運はこれだけではなかった。
「実は前日の新馬でも、母に日米のオークス(G1)を制したシーザリオ、兄にG1馬のエピファネイアやサートゥルナーリアがいる良血馬テンペストが出走予定でしたが、直前で左前肢ハ行のため取消となってしまいました。1週前の追い切りでは坂路で1番時計をマークするほど動いていただけに残念と言う他ありません」(同)
ちなみに昨年の同時期では、2歳戦でサークルオブライフの阪神JF(G1)など重賞3勝を含む12勝を挙げていた国枝厩舎。だが、今年は11日終了時点で5勝止まり。重賞好走馬も東京スポーツ杯2歳S(G2)で2着に入ったダノンザタイガーのみで、好調だった昨年に比べると厳しい状況が続いている。
歴史的名牝アーモンドアイを手掛けるなどJRA通算1015勝、G1・21勝を含む重賞62勝を誇る国枝厩舎だが、日本ダービー(G1)には未だ手が届いていない。関東が誇る名伯楽も今年で67歳。じょじょにチャンスが限られてくる中、来年こそはと力が入っているはずだが……。
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