武豊が「ドウデュース以上」と目された無敗馬と待望の復帰戦。父から繋がった物語の続き

今春の日本ダービー(G1)を、武豊騎手とのコンビで制したドウデュース。
クラシック一冠目の皐月賞(G1)では、「ポジションが結果的に後ろだったかも」と鞍上が悔やんだ通り、後方から上がり最速の脚を繰り出すも3着が精一杯。レース後には「残念です。勝ちたかった」とレジェンドも肩を落とした。
それでも、「ダービーで何とか頑張りたい」と語っていた言葉に嘘はなかった。皐月賞に続き後方からの競馬になったとはいえ、最後の直線に入る際は唸るような手応え。これ以上ない抜群のタイミングで鞍上が追い出すと、最後は豪快な末脚で差し切ってみせた。
その後、3着だったアスクビクターモアが菊花賞(G1)でレコード勝ちを決めれば、2着のイクイノックスは古馬相手の天皇賞・秋(G1)を制覇。負かした相手ののちの活躍を踏まえれば、ドウデュースが現役最強クラスであることに疑いの余地はないだろう。
「ドウデュース以上」と目された無敗馬と待望の復帰戦
そんなドウデュースと、2歳時には勝るとも劣らない評価だったロン(牝3、栗東・石橋守厩舎)が、17日の甲東特別(2勝クラス)で約1年3か月ぶりの復帰を果たす。
昨年8月のデビュー戦では楽に先手を奪うやいなや、そのまま上がり最速の脚を繰り出して3馬身半差の圧勝を飾ったロン。レース後には、騎乗した武豊騎手が「反応が良く、少しのゴーサインでスッと動いてくれました。楽しみな馬です」と高評価した逸材だ。子ども扱いして2着に破ったジャスティンスカイが、現在はオープンクラスまで出世しているのだから、そのポテンシャルは計り知れない。
また続く2戦目の野路菊S(2歳OP)でも、3番手からまたも上がり最速の脚を繰り出して4馬身差をつける大楽勝。最後は鞍上が手綱を抑える余裕があったにもかかわらず、レコード勝ちとなる圧巻の内容だった。
これには鞍上の武豊騎手も「抜け出す脚も速かった。今日のレースができるなら、色々と融通も利きそう」と絶賛。牡馬相手の2000mで楽に連勝を飾ったこともあって、一躍クラシック候補に目された。
ところが、その後ロン陣営は予定していた阪神JF(G1)を「心身ともに状態が整っていない」として回避。今年早々には右前脚の屈腱炎を発症し、クラシックは全て棒に振ることとなってしまった。
そういった背景もあって、無敗馬の復帰戦を待ち望んでいたファンも多かったはず。ネットの掲示板やSNS等では「おかえり」「待ってました」など、ファンから温かい声が上がっている。
思い返せば、ロンの父であるシルバーステートもまた、奇しくも屈腱炎により長期休養を余儀なくされた逸材だった。その能力は主戦だった福永祐一騎手が「今まで乗った馬のなかで間違いなく一番」(『JRA-VAN広場』より引用)と語るほどだったが、ロンと同じくクラシックを全て棒に振っている。
再びターフに戻ったシルバーステートは復帰戦から2連勝を決めるも、大舞台を経験することなく、またしても屈腱炎を発症して引退に追い込まれた。ロンは父が果たせなかったG1制覇への続きを、歩むことができるだろうか。
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