武豊×サクソンウォリアー産駒が初タッグ!初陣Vならかつての「出世コース」へ!?
欧州を経由したディープインパクトの血脈は日本でも花開くか――。
朝日杯フューチュリティS(G1)が行われる18日の阪神では2歳新馬戦が2鞍組まれている。そのうちの1つ、芝2000mが舞台の5Rに出走を予定しているのが、『インゼルレーシング』が送り込むオストファーレン(牡2歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。
オストファーレンはアイルランドのクールモアで生産された馬。生後に日本に輸入され、インゼルレーシングの初年度募集馬のリストに名を連ねた。
同馬の父はイギリスでG1を2勝したサクソンウォリアー。日本が誇る無敗の三冠馬ディープインパクトの直仔で引退後はクールモアで種牡馬入り。2020年に生まれた現2歳世代が初年度産駒ということになる。
そんなサクソンウォリアーの初年度産駒は、8頭が日本で血統登録されており、うち4頭がすでにJRAでデビューを果たしているのだが、これまで計5戦して最高着順は4着と、日本のスピード競馬にやや苦しんでいる印象だ。
「サクソンウォリアー自身は2歳時から一線級で活躍しており、やや早熟の傾向がありました。そのため、産駒もある程度早い時期から活躍するとみられていましたが、今のところ結果は出ていません。
サクソンウォリアー自身は北海道のノーザンファームで生まれ、当歳時にアイルランドに渡りました。つまり現地(アイルランド)で調教を積んだので、一口にディープインパクト産駒といってもスピードよりは欧州のパワーが前面に出ている種牡馬といえます」(競馬誌ライター)
国内における種牡馬サクソンウォリアーの評価にも直結するだけに、オストファーレンの走りには注目したいところ。10月下旬に栗東へ入厩後は、坂路を中心にじっくりと時間をかけて体力強化が図られてきた。
すでに坂路では4ハロン53秒台の時計を5本も出していて、1週前にはCWで6ハロン81秒5-12秒1の好時計をマーク。デビューに向けて臨戦態勢は整ったといえるだろう。
インゼルレーシングとくれば、もちろんコンビを組むのは武豊騎手。ディープインパクトの孫にあたるサクソンウォリアー産駒とコンビを組むのは今回が初めてとなる。
初陣Vならかつての「出世コース」へ!?
かつてこの時期に開催される阪神芝2000mの新馬戦は、有数の出世コースと呼ばれていたこともあった。クラブの期待度も大きい馬で、来春のクラシックを狙うためにも、時期的に初戦Vは至上命題となりそう。もし勝つことができれば、出世街道に乗る可能性も出てきそうだ。
これまで12月に開催された阪神芝2000mの新馬戦を勝ち上がった馬の名前を何頭か挙げてみよう。
スーパークリーク、ナリタトップロード、アグネスタキオン、ファインモーション、ディープインパクト、ルーラーシップ……。名前を出したほぼすべての馬が翌年のクラシック路線で活躍。古馬になってからも国内外で大きなレースを走っていた名馬たちである。
近年は、将来有望な2歳馬のデビュー時期が早まる傾向もあって、このパターンに当てはまる馬は多くない。それでもオストファーレンが祖父ディープインパクトと同じ出世コースの一歩目を勝利で踏み出すことができれば、期待は高まる一方だろう。
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