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JRA福永祐一「トップ通過」で一次試験突破、一発勝負に関係者からも驚きの声…徹底的な「箝口令」が敷かれた舞台裏

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福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 難関といわれる調教師試験を見事合格し、2月一杯で騎手を引退して調教師への転身を表明している福永祐一騎手。トップ騎手の一人として数多くの栄冠を手にしたが、昨年も100勝超えに成功したように、現役騎手としてまだまだやれる状況での決断に驚いたファンも少なくなかっただろう。

 近しい関係者には試験に関する情報収集もしていたようで、転身するのも時間の問題とも見られていたらしいのだが、騎乗数を制限することなく受験したため、これには関係者も驚いたようだ。

 既に各メディアで様々なインタビューや記事が出ており、中には福永騎手が願書提出時に「記事にするのは二次の合格発表まで控えて欲しい。不合格だった場合は受けた事を含めて完全にスルーで」とお願いしていたというエピソードも含まれていた。

徹底的な「箝口令」が敷かれた舞台裏

「ここ数年間は密かに勉強していましたし、福永騎手自身も受けるなら一発勝負だと考えていたみたいです。もし不合格だった場合、関係者やファンの方から“試験に受からないから騎手を続けている”と思われたくなかったのではないかといわれています。

不合格なら完全にスルーして欲しいと箝口令が敷かれたのも、福永騎手のプライドの高さが垣間見えます。実際、最初で最後の挑戦を一発でクリアした訳ですから、本人の並々ならぬ努力の賜物といっていいでしょう」(競馬記者)

 その一方で、元JRA騎手の藤田伸二氏はTwitterで「福永祐一くん。調教師の一時試験合格らしいね〜。たくさん勉強したんだろうな!」(原文ママ)とツイート。沈黙を貫いたメディアに対し、“空気を読まない”発言が話題を呼んだ。

 中でも大きな注目を集めたのは、藤田氏曰く「騎手しか分からん」問題が多々あったという発言である。見方によっては忖度があったと勘繰られかねない表現だが、聞くところによると福永騎手は、一次試験を受験者中トップの成績で通過していたらしい。忖度があろうがなかろうが文句なしの合格だったという訳だ。

 ただ、やはり気になるのは、福永騎手が一発勝負と決めていたことだろう。結果的に合格したからよかったものの、もし不合格なら彼ほどの人材が調教師になれない、ならなかった可能性があったのである。

 長きに渡ってJRAの発展に貢献し、騎手会でも役職を担ってきた人物だけに、以前のような優遇措置があってもよかったという声もある。

 というのも、かつては「通算勝利度数が1000以上の騎乗成績を収め、かつ、中央競馬における就業期間が20年以上の騎手経験者に(第一次の)筆記試験を免除する」という特典が設けられていたからだ。

 現役騎手では、横山典弘騎手や田中勝春騎手らも受験していたが不合格。現在も現役騎手として乗り続けているが、昨年受験しなかった横山典騎手は、近しい関係者に「もう諦めた」と漏らしたという話も聞いた。以前のように特典を利用出来ていたなら、合格していたかもしれない。

「制度は廃止されましたが、ちょっとした優遇措置はあるようです。試験の内容は同じですが、騎手の場合は合格ラインが他に比べて少しだけ低く設定されているという噂を耳にしました。

いずれにしてもトップ合格だった福永騎手には関係なかったですね。本人も合格するまでは慎重な発言をしていましたが、合格後には『トップ通過って凄くない⁉』と周りに自慢していたみたいです(笑)」(同)

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 そこで気になるのは武豊騎手の今後だ。生涯現役を公言している競馬界のレジェンドもゆくゆくは引退する。JRAへの貢献度では他の追随を許さない超大物だけに、引退後の身の振り方は、過去最大級の注目を集めるはずだ。調教師に転身せず、「JRAアドバイザー」となった岡部幸雄元騎手のようなポジションをJRAが用意するかもしれないが、現場に携わって欲しいと考えるファンも多い。

 現在のところ本人も調教師への興味は示していないが、特典があれば、「候補の一つ」として選択肢に入る可能性は残されている。以前のように1000勝とはいかなくても、2000勝あたりを目安に特典制度の復活とはいかないものだろうか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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