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苦境の武豊が『この馬の背中は渡したくない』女傑ウオッカによるマイルG1史上最大着差の圧勝劇

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苦境の武豊が『この馬の背中は渡したくない』女傑ウオッカによるマイルG1史上最大着差の圧勝劇の画像1ウオッカ(JBISサーチ公式サイトより)

 キタサンブラックとの常勝コンビで大阪杯→天皇賞(春)を連勝したかと思えば、船橋競馬場にて行われた先日のかしわ記念ではコパノリッキーを3度目の復活へと導き、中央・地方を問わず縦横無尽の活躍をみせる武豊騎手(48、栗東・フリー)。今年はすでに重賞5勝を挙げ、かつての輝きを取り戻しつつある彼だが、一昔前には引退を囁かれたほど成績の落ち込んだ時代があった。

 それは唯一無二の相棒ともいえるディープインパクトが惜しまれながらターフを去った2007年前後。それまで主戦を務めていた「アドマイヤ」の冠名でおなじみの近藤利一氏との間にとある理由から確執が生まれ、以降は絶縁状態となって騎乗馬の質が急激に下がってしまう。過去にはアドマイヤベガやアドマイヤグルーヴといった名馬の手綱を任されるなど蜜月関係にあったのだが、大馬主の機嫌を損ねた事実は大きく、結果として勝利数や総賞金額は大幅に減ってしまったのである。

 翌年はなんとかリーディング1位をキープしていたものの、顕著に影響が出たのが重賞勝利数。2002~2007年まで2ケタ勝利が当たり前だったにも関わらず、2008年はたったの3勝。さらに2010年には落馬事故によるケガにも見舞われるなど不運が重なり、現在まで続く長いスランプの始まりとなってしまった。

 そんな競馬界のレジェンドの不遇の時代を支えたのが、牝馬ながら64年ぶりにダービー馬の栄誉に輝いた歴史的女傑・ウオッカである。

 前述のダービーやダイワスカーレットと世紀の叩き合いを繰り広げた2008年の天皇賞(秋)をはじめ、獲得したG1タイトルは計7つ。とくに東京では水を得た魚のように能力を発揮し、G1・7勝のうち6つを東京競馬場で挙げる稀代のコース巧者として知られた。

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