
イクイノックス「待望論」再燃!? ディープインパクト、オルフェーヴルが歩んだ凱旋門賞→ジャパンCの可能性は?

8日、フランスのサンクルー競馬場で開催されたサンクルー大賞(G1)は、1番人気のウエストオーバー(牡4歳、英・R.ベケット厩舎)が2馬身差で完勝。単勝1.4倍の圧倒的な支持に応えるレコード勝ちで、昨年の愛ダービー(G1)に次ぐG1・2勝目を挙げた。
1999年に日本のエルコンドルパサーが制したフランス競馬の上半期総決算。5頭立ての少数精鋭となったレースは、1番人気から5番人気までが人気通りの着順に終わる順当な結果となった。
一方、この結果を受けて、さらに評価を高めたのが日本のイクイノックス(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
このサンクルー大賞を勝ったウエストオーバー、2着だった2番人気ザグレイはドバイシーマクラシック(G1)でも2、3着と善戦した間柄。そういった意味では力通りの決着と言えるが、今年3月にドバイの地でこの2頭に3馬身半以上の差をつけて置き去りにしたのが、1着馬イクイノックスである。
キャリア初の逃げを試みたイクイノックスは最後の直線でもまったく勢いが衰えず、逆に後続を大きく引き離した。2着ウエストオーバーとの最終的な着差が3馬身半に“収まった”のは、残り200mで後ろを振り返ったC.ルメール騎手がセーフティリードを確信して手綱を緩めたからだ。
結局、1発のムチも必要なかったが、もしまともに追われていれば、その差は5馬身、6馬身では済まなかったかもしれない。
イクイノックスはこの結果を受け、ロンジンのワールドベストレースホースランキングでレーティング129を獲得。これは香港のゴールデンシックスティの125を大きく突き放す、断トツの“世界1位”だ。今回のサンクルー大賞の結果は、その評価を改めて高めるものと言えるだろう。
凱旋門賞「待望論」再燃!?
そんな背景があるからこそ、今回の結果を受けた一部の競馬ファンからはイクイノックスを「今秋の凱旋門賞(G1)で見たい」という声が再燃している。
今秋10月1日にフランスのパリロンシャン競馬場で行われる世界の頂上決戦は、今や日本競馬にとっての大目標となっていることで有名だ。昨年も当時の現役最強馬タイトルホルダーを筆頭にドウデュース、ディープボンド、ステイフーリッシュといった強豪が揃って敗れるなど、長年高い壁に跳ね返され続けている。
それだけに“世界No.1ホース”イクイノックスであれば、今度こそ日本競馬の悲願を叶えてくれるのではというわけだ。
「先月の宝塚記念(G1)を勝ったイクイノックスですが、その際にオーナーサイドから秋の目標は11月のジャパンC(G1)という話がありました。
かつてはディープインパクトやオルフェーヴルといったところが凱旋門賞からジャパンCに参戦していますが、体質的に弱いところがあるイクイノックスはずっと間隔を空けて使われているだけに考えにくいでしょうね。現段階での凱旋門賞の登録馬にもその名はありません」(競馬記者)
ちなみに昨年のサンクルー大賞を勝ったアルピニスタは、勢いそのまま秋には凱旋門賞を制覇している。
もし、今年の勝ち馬ウエストオーバーや2着ザグレイが凱旋門賞で好走すれば、やはり「イクイノックスがいれば……」と思うことになるのだろうか。日本の競馬ファンとして、この2頭の今後の活躍にも注目したい。
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