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松山弘平「リーディング6位」もJRA代表は“落選”…痛恨「14連敗」と見えてきた復調の兆し

松山弘平「リーディング6位」もJRA代表は落選…痛恨「14連敗」と見えてきた復調の兆しの画像1
撮影:Ruriko.I

 6月10日に開幕した夏の函館開催も今週末の函館記念(G3)が終われば閉幕。22日からは札幌競馬場に戦いの舞台が移る。

 夏の札幌と言えば、名物のひとつとなっているのが『2023ワールドオールスタージョッキーズ』(WASJ)だ。JRAを代表するトップジョッキーたちが、海外と地方の強豪を迎え撃つという選ばれし名手たちによる祭典。今年は8月26日~27日の2日間に渡って行われる。

 13日にはJRA代表として出場する7名の騎手が発表された。今年のメンバーは以下の通り。

▼WASJ2023・JRA代表騎手

・戸崎圭太騎手(2022年「MVJ」受賞)
・川田将雅騎手(勝利度数関西1位)
・横山武史騎手(勝利度数関東1位)
・武豊騎手(顕著な活躍)
・C.ルメール騎手(勝利度数上位)
・岩田望来騎手(勝利度数上位)
・坂井瑠星騎手(勝利度数上位)

 今年は岩田望騎手と坂井騎手という若手のホープが初出場の切符を手にした一方で、僅差で代表入りを逃したのが松山弘平騎手である。

松山弘平「リーディング6位」もJRA代表は落選…痛恨「14連敗」と見えてきた復調の兆しの画像2
松山弘平騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年は118勝を挙げて全国リーディング4位、今年もここまで59勝で同6位につけている強豪の一角だが、今回は参加チケットを掴み取ることができなかった。

 JRA公式サイトに掲載されている騎乗騎手の選出ルールを見ると、出場者を決する“勝利度数”の対象期間は「今年1月1日から6月25日まで」とある。そこで該当期間のJRA成績を改めて調べてみたところ、選出された坂井騎手は50勝だったのに対し、松山騎手は53勝で上回っていた。

 しかし、その詳細を見ていくと、この“勝利度数”には中央のレースだけでなく、同期間内の「地方競馬指定交流競走および外国の競馬の競走」も含まれていた。JRA以外の成績は松山騎手が0勝だった一方、坂井騎手は地方での3勝に加え、今年2月にはサウジアラビアで行われた1351ターフスプリント(G3)をバスラットレオンとともに制覇している。

 この地方+海外の4勝が積み上げられた結果、松山騎手はわずか1勝の差で逆転を許す格好となってしまった。

 中でも痛かったのが4月から6月にかけての苦戦。1月から3月までは9勝・10勝・12勝と順調に白星を重ねていたのだが、4月から6月を見ると7勝・7勝・8勝とその勢いに陰りが見られた。

 特に6月は重賞で【0-0-0-5/5】と存在感を発揮することができず、1カ月の間に一度も重賞で馬券に絡むことができなかったのは今年初めて。JRAだけでなく地方でも、上半期を締めくくる大一番・帝王賞(G1)にテーオーケインズとともに臨んだが、1番人気を裏切る3着という悔しい結果に終わった。

 さらに6月後半には“1番人気での不振”が目立ち、6月24日の阪神5R・新馬戦(モンシュマン)から7月8日の中京5R・新馬戦(ピストンボーイ)まで1番人気の騎乗機会14連敗を記録。今季最長というスランプにも陥った。

 苦しみながら2023年の折り返し地点を迎えた33歳だったが、ここに来て徐々にトンネル脱出の兆しが見え始めている。

 月が替わって7月に入ると最初の2日間で計3勝を挙げ、8日の中京6R・1勝クラス戦では単勝1.6倍の支持を受けたエンペラーワケアを勝利に導き、1番人気での連敗をストップしてみせた。

 ここまで4日間の戦いを終えて、7月の月間成績は【6-4-7-22/39】。すでに直近3カ月に迫る6勝を挙げ、複勝率も40%を超えている。

 さらに6月は存在感が希薄だった重賞でも、2日の中京で行われたCBC賞(G3)では格上挑戦だったサンキューユウガを2着に導き、3連複5万6550円・3連単49万9640円の波乱の一端を担った。

 また、先週は注目馬が揃った中京・芝2000mの新馬戦をミカエルパシャとのコンビで勝利。セレクトセールを目前に控えた一戦で同セリ出身馬の1-2-3決着となったことに加え、2着はラケダイモーン(取引価格:2億4200万円)で3着はドゥマイシング(取引価格:2億2000万円)と2億円超えの評価を受けた超良血馬たちを3410万円で取引された馬が封じ込めたという点でも話題を呼んだ。

 松山騎手と有望な2歳馬といえば、6月に東京の新馬戦を快勝したボルケーノとの出会いもあり、すでに今後が楽しみな2歳馬が2頭もお手馬にいるというのは、秋以降への期待も膨らんでくる。

 また、この2頭の動向については明言されていないものの、WASJへの参戦がなくなったということは、同日の新潟競馬場で開催される新潟2歳S(G3)の騎乗が可能になったと前向きに捉えることもできるだろう。

 12月の2歳G1や来年の大舞台を見据えて歩みを進めていくうえで、2歳夏の時点で十分な賞金を持つということは大きなアドバンテージとなる。それだけに、JRA代表の“落選”という悔しさと引き換えに、大きな幸運が転がり込んでくるという可能性もありそうだ。

 苦しんだ上半期を耐え忍んだ分だけ、この秋と冬に大きな成果を掴むことができるか。下半期を実り多きものとするためには、トンネルを脱出して徐々に上向いてきたこの夏の過ごし方が重要となる。

GJ 編集部

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