海外古馬戦線も熱い!凱旋門賞登録オッズとメンバーから見る今年の海外G1の面白さとは?【2023年海外G1・古馬編】
史上19頭目となる英・愛ダービーを制した“ディープインパクトのラストクロップ最強馬”オーギュストロダンを始めとする3歳馬も楽しみだが、もちろん古馬も負けてはいない。
引き続き英国ブックメーカー『ウィリアムヒル』が発表している凱旋門賞(仏G1)の想定オッズを基に今回は古馬の有力馬を紹介したい。
古馬の有力馬たちも虎視眈々
3番人気8.0倍 エミリーアップジョン(牝4、英・J&T.ゴスデン厩舎)
父はガリレオの半弟で凱旋門賞馬のシーザスターズ。ここまで8戦5勝2着2回と好成績を残すも昨年のイギリスオークス(英G1)では1番人気ながら、スタート直後に躓き出遅れての2着。アイルランドオークス(愛G1)では輸送飛行機のトラブルで出走取消と不運が続いた。
英国3歳以上の牝馬路線を締め括るチャンピオンズフィリーズ&メアズS(英G1)では、中団待機から異次元の末脚を見せ3馬身差の快勝。待望のG1初制覇を果たすと、本年6月のコロネーションC(英G1)ではウエストオーバーとの一騎打ちを制し2度目のG1制覇を成し遂げた。
この2頭の追い比べが3着に7馬身半差を付けたことには、高い評価が必要だろう。秋には“父娘制覇”が期待される1頭だ。
7番人気15.0倍 デザートクラウン(牡4、英・M.スタウト厩舎)
史上最強牝馬エネイブルと同じナサニエルを父に持ち、3戦無敗で昨年のイギリスダービー(英G1)を制覇。鞍上のR.キングスコート騎手もダービージョッキーの称号を手にした。
その後、軽度の脚部不安が判明し、約1年振りの実戦となった本年5月のブリガディアジェラードS(英G3)では、G1馬フクムの末脚に屈する形で初の敗北と再び脚部不安が発症。有力馬だけに早期復帰が望まれる。
9番人気21.0倍 ヴァデニ(牡4、仏・JC.ルジェ厩舎)
父チャーチルは芝1400〜1600mのG1を4勝したが、本馬は昨年のフランスダービー(仏G1)を5馬身差で快勝、続くエクリプスS(英G1)も勝利し、凱旋門賞ではアルピニスタに半馬身差の2着と中距離路線での活躍が目立つ。その実力は折り紙付きで昨年の雪辱を虎視眈々と狙う。
怪物フランケルの血を継ぐ実力馬たち
9番人気21.0倍 ウエストオーバー(牡4、英・R.ベケット厩舎)
不利を受けた昨年のイギリスダービーでは3着に敗れるも、続くアイルランドダービー(愛G1)にて、その雪辱を果たす7馬身差の圧勝を見せた。それだけに直線で不利を受けたイギリスダービーの敗戦が悔やまれる。
古馬初戦となったドバイシーマクラシック(UAE・G1)ではイクイノックスの2着に敗れ、コロネーションCでも前述したエミリーアップジョンと追い比べの末2着惜敗も、続くサンクルー大賞(仏G1)では最終コーナーから一気に巻き上げる形で2馬身差の快勝。2度目のG1制覇を成し遂げた。
9番人気21.0倍 アダイヤー(牡5、英・C.アップルビー厩舎)
ゴドルフィンの所有馬である本馬は、一昨年のイギリスダービーを7番人気ながらレースでは内側で脚を溜め、最後の直線で内側から抜け出すスピードを披露。2着に4馬身半差の圧勝劇を見せた。
続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)も勝利し、凱旋門賞では4着に入った。5歳となった本年もW.ビュイック騎手を背に好走を見せており、一発を秘めている実力馬だ。
古馬戦線で一際の輝きを見せるエミリーアップジョン、デザートクラウン、ウエストオーバーの同世代対決に注目しつつ、怪物の血を継ぐ仔など古馬も3歳世代に負けない実力馬たちが揃っている。秋の大一番に向け益々ヒートアップする“この夏”をしっかりと楽しみたい。
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