母はG1・3勝「超良血」ディープインパクト産駒が待望初V! 陣営は長距離G1と好相性、菊花賞で最大の惑星に?
15日、中京競馬場の4Rに行われた3歳未勝利(芝2000m)は、2番人気のスイープアワーズ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が直線抜け出して優勝。デビュー4戦目にして待望の初白星を飾った。
同馬は父ディープインパクト、母が現役時代にG1・3勝を挙げたスイープトウショウという超良血だ。しかし、デビューから3戦はすべて1番人気で敗退。全レースで手綱を取っていた武豊騎手が「気難しい面がある」と話すなど、メンタルの部分に課題が見られていた。
その武豊騎手が現在、函館競馬に参戦している関係もあって、今回は川田将雅騎手と新コンビを結成。ここ2戦で出遅れていたスイープアワーズだったが、この日は14頭立ての13番枠からスタートを決めると、前から3番手付近に付けて積極的にレースを運んだ。
最後の直線に入ると、早々に先頭へと躍り出る。ゴール前では内を突いて1番人気デッドリーが差を詰めてきたが、1馬身1/4差をつけて振り切った。
「あまりスタートが良くないこともあり、これまでほとんど後方からの競馬しかしていなかったスイープアワーズでしたが、この日はまるで見違えるようなレース運びでした。直線に入ってからの脚色も実にしっかりとしたもので、着差以上の完勝だったと思います。1800mの前走で完敗を喫しましたが、2000m以上だとすべて馬券圏内に入っていることから、距離が長いほうがいいタイプなのかもしれません。
また、この世代がラストクロップとなるディープインパクト産駒は、日本にいる6頭のうちオープンファイア、ライトクオンタムに続く3頭目が勝ち上がったことになります」(競馬誌ライター)
スイープアワーズは一昨年のセレクトセールにおいて2億2000万円(税込)の超高額で取引されるなど、デビュー前から注目を集めていた1頭でもある。そのため、初勝利を決めた際のSNSやネット掲示板には「初勝利おめでとう!」「さすがディープ産駒!」という祝福の声が多く寄せられた。
また、未勝利を勝ったばかりだが「秋は菊花賞(G1)を目指すのかな」「京都の3000mで見たい」「何とか間に合ってくれないだろうか」といった、三冠レースの最終戦となる菊花賞への参戦を望む声も見られたのは、やはりこの超良血馬にかかる期待の大きさ故だろう。
10月22日に開催される今年の菊花賞まで、残り約3ヶ月しかない。スイープアワーズはようやく初勝利を挙げたばかりであるだけに、常識的には厳しいと言わざるを得ないが、2014年の菊花賞を勝ったトーホウジャッカルも、本馬と同時期の7月12日に未勝利を勝ち上がっている。
ちなみにトーホウジャッカルはその後、8月に2勝目を挙げると、その翌月に開催されたトライアルの神戸新聞杯(G2)で3着に入り本番への優先出走権を獲得。初勝利から、わずか3カ月余りでG1馬に上り詰めた。
「スイープアワーズを所有する大塚亮一オーナーと友道厩舎のタッグといえば、ワールドプレミアが2019年の菊花賞を制するなど、3000m級のG1を2勝する活躍。長丁場のG1と好相性を誇っているタッグだけに、ラスト一冠に駒を進めてくれば不気味な1頭となることは間違いないでしょう」(同)
また川田騎手もレース後「まだディープ産駒の良さがまったく出ていない現状だが、それでも未勝利を勝つことができた」と、スイープアワーズはまだまだ伸びしろがたっぷりである旨のコメントを残している。
海外では、英国とアイルランドでダービーを制したディープインパクト産駒のオーギュストロダンが、凱旋門賞(仏G1)の最有力候補と目されているが、果たして日本では同じく父にディープを持つスイープアワーズが菊花賞最大の惑星となるのだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
安藤勝己、武幸四郎とつないだバトン。函館に愛された名優・エリモハリアーが史上3頭目の同一重賞3連覇【競馬クロニクル 第16回】
3歳牡牝でドウデュース、イクイノックス級の評価!ソールオリエンス「過大評価」疑惑も…リバティアイランドは「三冠」ほぼ当確か
【函館記念(G3)予想】ローシャムパークは余裕の切り! 荒れるレースに相応しい「特大穴馬」を指名
函館記念(G3)は上位人気バッサリで勝負!やっぱり白いのが好き…万馬券を当てて北海道に行きたい!【UMAJOモモのオイシイ競馬】
“かわいすぎるビールの売り子”から『うまDOKI』MCへ!現役モデルほのかが「UMAJO」としてもホットな存在に【特別インタビュー】