横山典弘「マジック」に絶賛の嵐! 横山武史「自画自賛」の100点満点も「勝った馬は120点」連対機会6連続で親子ワンツー!
9日、中山競馬場で行われた秋華賞トライアル・紫苑S(G2)は、4番人気のモリアーナ(牝3歳、美浦・武藤善則厩舎)が勝利。4コーナー通過14番手から、豪快に突き抜けた。
「これがあるから、やめられない――」
全国の“ノリさんファン”は、そう唸ったに違いない。17頭立ての芝2000mのレース。スタートで後手を踏んだモリアーナは、ほぼ最後方からのレースを余儀なくされた。鞍上は常に馬の将来を見据え、決して無理をさせないことで有名な横山典弘騎手だ。
多くのジョッキーが騎乗馬の人気があればあるほど、いわゆる“格好をつける”騎乗を試みようとする中、横山典騎手はそんな事情などお構いなしに終始後方のまま大敗することもしばしば……。そんな苦い記憶が残っているファンからすれば、この日のモリアーナもスタート直後に「終わった」と諦めた人もいたはずだ。
だが時として、ここから信じられない神騎乗を繰り出すのが、この大ベテランが「武豊騎手以上の天才」とさえ言われている所以でもある。
道中、終始後方だったモリアーナは勝負どころの3、4コーナーで加速すると、じょじょにポジションをアップ。最後の直線でも眼前に馬群が広がる絶望的な状況だったが、馬込を縫うように差を詰めると、最後は粘るヒップホップソウルを差し切った。
「マジック」に絶賛の嵐!
「何と言えばいいんでしょうか……、一言で言えば、ワンダフル(笑)。これは色々な意味で、横山典騎手にしかできない騎乗だと思います。2着に負けたヒップホップソウルの横山武史騎手も『100点の凄くいい競馬ができたと思いますが、勝った馬は120点でした』と父親の“マジック”に白旗といった様子でした。最後の直線の馬群の捌き方も見事でしたし、まさに天才的な騎乗でしたね」(競馬記者)
よく「他馬が止まって見えた」というが、この日にモリアーナが記録した上がり3ハロン34.3秒はもちろんメンバー最速。上がり2位のシランケドが記録した35.0秒より0.7秒も速い。
そんな異次元の末脚を繰り出しながらも、器用に馬群を捌いてくるのだから、これぞ横山典騎手という神業。元JRA騎手の安藤勝己氏が「これしか届かないって進路で馬群を縫ってきた」と絶賛するのも当然だろう。
「最後はゴール時に、半馬身差の2着だった息子(横山武騎手)の方を見て何か言っているようにも見えました。ここ最近、横山典騎手が連対(1、2着)した際は、必ず横山武騎手との親子ワンツーになっています。もちろん狙ってやっているわけではないと思いますが、息子がいることでモチベーションを上げていることは確かでしょうね」(別の記者)
記者がそう話す通り、実は横山典騎手は現在、連対機会6連続で横山武騎手とのワンツーが続いている。もっと言えば9月に入って、横山典騎手が連対したレースはすべて横山武騎手との親子ワンツーだ。
「まだまだ若いお姉さんと言った感じで、良いところがたくさんありますからね。無事にいってほしいです」
勝利騎手インタビューで、そう本番の秋華賞(G1)を見据えた横山典騎手。川田将雅騎手から「お嬢さん」と呼ばれる女王リバティアイランドとの「お姉さんVSお嬢さん」の対決が今から楽しみだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
【セントライト記念(G2)展望】皐月賞馬ソールオリエンスが堂々の秋始動! 異端のG1馬ドゥラエレーデと2度目の対決
C.ルメール、来春クラシックへ「超強力パートナー」ゲット! 偉大なG1ホース「2頭」に続く海外進出もゆくゆくは期待?
2歳女王も桜花賞馬も余裕で馬券圏外に…「56キロ増」絶対女王リバティアイランドに意外な落とし穴
武豊×名物オーナー所有馬「単勝1.2倍」の完勝劇! 「武豊騎手と口取りできて嬉しいです」勝率100%依然キープで名コンビ誕生の予感?
「懲罰交代」でG1馬の手綱を武豊に献上…45歳ベテランが前代未聞「56キロ」減量失敗で騎乗停止 ガイアメンテ敗戦の裏で評価急上昇!【週末GJ人気記事ぶった斬り!】