【宝塚記念】半世紀前の優勝馬を襲った「悲劇」…ドウデュースに全幅の信頼を置けないワケ【東大式必勝馬券予想】
18年ぶりに京都で開催される宝塚記念
今週末23日は令和6年上半期の掉尾を飾る宝塚記念(G1)。京都競馬場で行われた年は結構あって、直近は単勝1.1倍のディープインパクトが駆けた2006年。1991年には横山典弘がメジロライアンで父子二代制覇を成し遂げる。もっと昔の1974年にはキャリア初の2番人気に甘んじた怪物・ハイセイコーがファンを嘲笑うかのように5馬身差の圧勝を演じた。
しかし今も心に痛むのが1995年6月4日、阪神・淡路大震災の影響で代替開催となった淀の坂に散ったライスシャワーである。京都競馬場には改修後も鎮魂の石碑が建っている。今年もお参りしてからスタンドに向かうことにしよう。
本稿では語られることも少なくなった、ライスシャワー以上の悲劇に包まれた伝説の名馬を取り上げたい。1973年の優勝馬ハマノパレードである。
悲劇に包まれた名馬ハマノパレード
高素質の声も高かった同馬は1971年にデビュー、札幌五輪のあった72年の春までに3勝を挙げるも毎日杯、京都4歳特別を大敗しクラシックロードを断念、休養に入る。
これが功を奏したか同年秋に復帰して連勝後挑んだ阪神大賞典で天皇賞・秋を勝ったばかりのヤマニンウエーブを破り3連勝で重賞初制覇。明けて5歳(馬齢は当時)の京都記念でも菊花賞馬ニホンピロムーテーを下し駒を進めたのが宝塚記念。
当時はファン投票上位馬しか出馬投票できず8頭立てとやや寂しくなったが、直前の天皇賞・春の勝ち馬で同期のタイテエム、母子宝塚記念制覇を狙うナオキが1、2番人気でハマノパレードは4番人気。晴れ・良馬場でゲートは開く。
絶好のスタートを切ったハマノパレードは“必殺仕掛人”田島良保を背に自慢の快足で後続を引き離して逃げ、直線に入ってタイテエムに詰め寄られるもクビ差振り切りゴール!当時の日本レコードで優勝、秘めていた素質が開花した瞬間であった。
しかし喜びの日々は長く続かなかった。ハマノパレード陣営は3週間後の中京・高松宮杯に出走を決意、今から思えば無茶なローテーションだが当時は一流馬が別定重量で出走できる貴重で高額賞金のレースで、後に怪物ハイセイコーや天馬トウショウボーイも宝塚記念と高松宮杯を連覇している。
1番人気は前年の天皇賞・春勝ち馬ベルワイドに譲るも、2番人気のハマノパレードはスタートを決め8枠から内に切れ込み宝塚記念の再現のように逃げる。直線に入っても脚色は衰えず、誰もが勝利を確信した残り150mでもんどりうったように転倒、勝ったのは2番手につけていたタケデンバードで彼は前年のクモハタ記念でも世紀の誤審騒動の中優勝、“魔性の馬”“死神”などと嬉しくない称号を戴くこととなった。
一方、ハマノパレードは予後不良と診断され安楽死の処置が取られたと公式発表される。しかし、51年たった今も私のトラウマとなっているのだが、大手スポーツ紙の記者が「ハマノパレードは名古屋・食肉検査場に移送されて処分され食肉となった」と持論を展開、それが証拠に卸売市場で“馬370円”の相場が立ったと記し世間を震撼させた。
事の真偽は確かめようがなく、さもありなんと思わせる昭和の時代背景もあるが、悲劇は繰り返してはならない……そう改めて思う令和6年である。
史上最多得票ドウデュースの評価は
ここで「東大馬券王の大よそー」に移ろう。
史上最多得票でファン投票1位のドウデュースだがこの宝塚記念、単勝1.4倍のキタサンブラックが9着、1.9倍のゴールドシップが15着と謎の凡走があるレース。彼自身も久々はどうも芳しくなくG1・3勝のうち2勝は“休み明け3走目”だ。ここは全幅の信頼を置かず1着候補の中の1頭までとしたい。
頭には2200mのG2を勝っているローシャムパーク、鞍上に名手D.レーンを得た3連勝中のシュトルーヴェを加え、2着候補筆頭には大阪杯(G1)の勝ち馬べラジオオペラ。京都2200mは今年の京都記念(G2)でプラダリアに競り負けており少し距離が長いか。
そして東大式鉄則「夏は牝馬」で紅一点ルージュエヴァイユにも要注意。牝馬は鉄則に違わずここ5年で3勝、2着1回と3着が2回だ。3着にはジャスティンパレス、プラダリア、ブローザホーンも加え3連単フォーメーションでそこそこの万馬券を狙う。
キタサンブラック着外の年はサトノクラウン→ゴールドアクター→ミッキークイーンのG1馬3頭で7万円超は実に美味しかった。ドウデュースのポカでこっそりと財布を膨らませ夏競馬遠征に備えよう。津軽海峡のカモメたちが私を待っている。(一部敬称略)
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