単勝95.1倍「除外明け」超伏兵が直線で瞬間移動!? “実質デビュー戦”で見せた豪脚…牝馬ダート路線に遅れてきた大器
先月の日本ダービー(G1)を9番人気で制したダノンデサイルは、今年初戦の京成杯(G3)でアーバンシックを一蹴した実力馬だったが、皐月賞(G1)で「競走除外」だったことが盲点の一つになっていた。
そのダービーから約1か月。22日の京都競馬でも「競走除外」明けの馬が好走した。それが2R・3歳未勝利戦(ダート1800m)を制したシンコーナホチャン(牝3歳、栗東・畑端省吾厩舎)だ。
初勝利を目指す3歳牝馬16頭によって争われた一戦で、シンコーナホチャンは単勝95.1倍の11番人気。1月の3歳新馬戦にエントリーしていたが、発走直前に右前肢跛行を発症し、競走から除外されており、今回が実質的な初陣だった。
幻のデビュー戦から5か月半。陣営がしっかり立て直しを図り、改めて迎えた初の実戦。国分優作騎手を背にしたシンコーナホチャンは14番枠からスタートでやや立ち遅れると、ダッシュもつかず後方からの競馬を強いられた。
最初のコーナーを過ぎたところでは逃げ馬から約20馬身、すぐ前を走る馬からも約10馬身遅れての追走で、ポツンと後方2番手を進んだ。
レース後の国分優騎手が「気を使っていてリズムを取れなかった」と振り返ったように、レース中盤までは馬群についていくこともできない有様だった。
「除外明け」超伏兵が直線で瞬間移動!?
ところが、残り1000mの標識を通過した時は、先行集団から約4秒(約24馬身)遅れていたシンコーナホチャンが3コーナーから4コーナーにかけて鞍上のムチに応えて徐々に進出を開始。序盤に馬群で揉まれなかったことも功を奏したのかもしれない。
外々を通って直線を向いた時には先頭から約10馬身差まで迫っていたシンコーナホチャン。残り200mからはもう1段ギアを上げ、まるで他馬が止まっているかのような豪脚を披露した。ゴール前は流す余裕を見せて3馬身半差の勝利。上がり3ハロン時計の37秒1は、同2位ジューンナデシコの39秒3を2秒2も上回った。
「追ってからはいい脚を使ってくれたし、能力があればこそだと思います」
単勝オッズ95.1倍の伏兵馬の激走をそう評価した国分優騎手。粗削りながら既走馬相手に発揮した走りは将来の活躍を予感させるのに十分だった。
今後レースを重ねて競馬を覚えていけば、さらに上のクラスで活躍してもおかしくない。牝馬ダート路線に現れた新星候補に要注目だ。
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