【函館2歳S(G3)展望】「函館の鬼」浜中俊がヴーレヴーと連覇を目指す! ニシノラヴァンダ、エンドレスサマーら圧巻のデビュー勝ちを飾った有望馬が集結
2歳世代最初の重賞・函館2歳S
13日の土曜日に函館2歳S(G3)、14日の日曜日に函館記念(G3)が行われる来週は年に1度の“函館祭り”だ。今回は2歳世代最初の重賞・函館2歳Sを展望したい。
過去5年の勝ち馬で、後に重賞タイトルを重ねられたのは2019年のビアンフェだけ。この勝利が現役最後になる馬も少なくなく、狙いは将来性よりも仕上がりの早さ。今が旬という馬をしっかりとフォーカスしていきたい。
最近の「函館重賞」といえば、この男に注目だ。ヴーレヴー(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)に騎乗する浜中俊騎手である。
函館では来週の2重賞に加え、函館スプリントS(G3)と3つの重賞が開催されるが、一昨年に函館SSをナムラクレアで、函館記念をハヤヤッコで勝ったのが浜中騎手だ。それだけでなく昨年の函館2歳Sをゼルトザームで勝ち、今年も函館SSをサトノレーヴで勝利と函館重賞の鬼と化している。
そんな浜中騎手が騎乗するヴーレヴーは、6月15日に今回と同じ函館・芝1200mのデビュー戦を1:09.2という好タイムで勝利。それだけでなく、1馬身半差の2着だったチギリが後に未勝利戦を快勝していることもレベルの高さの裏付けとなっている。
レース後の浜中騎手は「前向き過ぎる面が長所でも危ないところでもある」と課題を挙げながらも「能力は高いですよ」と高評価。自身の連覇へ視界良好と言って良いだろう。
時計面ならニシノラヴァンダ(牝2歳、美浦・奥平雅士厩舎)も負けていない。
ヴーレヴーが勝利した翌日に同じ函館・芝1200mでデビュー戦を迎えたニシノラヴァンダ。7頭立てで行われたレースで、スタートから勢いよく飛び出すと一気にハナへ。敢然と先頭に躍り出ると、最後まで後続に影も踏ませぬ逃亡劇。終わってみれば4馬身差の圧勝だった。
勝ち時計1:09.3は前日のヴーレヴーとほぼ互角の好タイム。重賞でも当然、有力候補の1頭に挙げられるが、西山茂行オーナーが「416キロと言う小さい牝馬」と不安点を挙げている通り、今回は他頭数の競馬が大きな課題になりそうだ。馬込みを嫌って再びハナに立つ可能性もあり、展開面のカギを握る1頭でもある。
デビュー戦のインパクトならエンドレスサマー(牡2歳、美浦・上原佑紀厩舎)が1番かもしれない。
6月29日の函館新馬に登場したエンドレスサマー。今回と同じ芝1200mのレースで、スタートから飛ばしてハナに立つと、そのまま逃げ切り勝利。ニシノラヴァンダも4馬身差の圧勝だったが、こちらは5馬身差とさらに着差がついた。
レース後の横山武史騎手によると、最後までノーステッキだったそうだ。ゲートに課題があるが「今後の成長が楽しみ」と、その期待は小さくない。3番手に名を挙げたのは勝ち時計1:09.4がヴーレヴー、ニシノラヴァンダよりもわずかに遅かったからに過ぎない。デビュー戦の走りができれば、圧勝してもおかしくない有力候補だ。
デビュー戦の着差だけならリリーフィールド(牝2歳、栗東・小崎憲厩舎)の方が上だ。
ニシノラヴァンダが4馬身差、エンドレスサマーが5馬身差とくれば、リリーフィールドは6馬身差の圧勝だ。
ただし、デビューの舞台は函館のダート1000mだっただけに上記2頭よりも人気はないかもしれないが、注目すべきは父モズアスコットの存在だろう。父は現役時代、芝で安田記念(G1)を勝っただけでなく、ダートでもフェブラリーS(G1)を勝利。競馬史に残る“二刀流”の使い手として活躍した馬である。そんな父の特性を受け継いでいれば、今回も面白い存在になるはずだ。鞍上は「小さい馬だけど、良いものを持っている」と評価する武豊騎手だけに、決して無謀な挑戦ではないだろう。
他にも函館・芝1200mのデビュー戦を快勝したエメラヴィ(牝2歳、栗東・松永幹夫厩舎)とカルプスペルシュ(牝2歳、栗東・石坂公一厩舎)、ヤンキーバローズ(牡2歳、栗東・上村洋行厩舎)、デビュー戦でヴーレヴーに後れを取ったものの未勝利を勝ち上がってきたチギリ(牝2歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)、今回が4戦目と豊富なキャリアが武器になりそうなシュードタキライト(牡2歳、美浦・菊川正達厩舎)など、どの馬にもチャンスがありそうだ。
果たして、今年の2歳馬で最初の重賞ホースに輝くのは……。注目の函館2歳Sは13日の15時25分に発走予定だ。
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