新潟競馬の「暑熱対策」に現場関係者から不満続出!? 関東でも関西でも発生した帰宅問題…「赤字」避けられない騎手は恨み節
「競走時間帯の拡大」というJRAの新たな試みがスタートした夏の新潟。競馬場に訪れた関係者やファンから様々な声も出ていたようだが、1週目の開催も無事に終了した。
対象期間となる2回新潟は入場料が無料のフリーパスだったり、様々なイベントを行うなど、何としても成功させたいというJRAの強い意気込みも感じられた。懸念されていた1週目の入場人員や売り上げでも、前年比を上回る数字を記録して上々の船出だったといえるだろう。
また、調教師やジョッキーの前向きなコメントも出ていたように、トライアル的な意味合いでは成功したといえるかもしれない。実際に夕方ともなると暑さも和らぎ、暑熱対策としての効果は、ある程度得られたのではないか。
売上アップの裏で現場関係者の不満は爆発?
とはいえ、現場の関係者から聞いた話によると、あくまでも“表向き”の公式な意見だという。匿名を条件にある騎手が“本音”を漏らしてくれた。
「わざわざ名前を晒してまで批判的な意見を言ったところで何の得にもなりませんし、言い方は悪いですけど、こういうのはJRAに媚を売った方がいいですからね。確かに暑さはそれほど気になりませんでしたが、気持ちの維持が大変だったと思いますよ。
実際、調整ルームに入った騎手の間では、空いた時間の使い方や過ごし方をどうしようって話で持ちきりでした。前日の金曜に調整ルームに入ったものの、土曜の騎乗予定が夕方のレースで暇過ぎるとか、土曜の午前中で競馬を終えて、次の騎乗予定が日曜の後半のレースで30時間くらいやることがないという騎手もいました」(新潟で騎乗した騎手)
通常のスケジュールなら昼休みは50分で終わるものの、暑熱対策の新潟では約3時間半と長い。後半のレースが再開するまで、モチベーションを保ち続けるのは、なかなか大変なのかもしれない。
そして、こういった“間延び問題”以外にも現地で騎乗した騎手にとって、厄介だったのは帰宅事情だ。
「日曜の10R以降のレースに騎乗すると、関西所属の騎手は伊丹空港行きの飛行機に間に合わないんです。新幹線を使った場合でも終電ギリギリで、帰宅するのは深夜になりますし、新潟で一泊挟むにしてもホテル代が高くなっているので大変です。そういった状況だけに、乗鞍の少なかった騎手の中には、赤字だった人もいたと思いますよ」(競馬記者)
最終レースが遅い時間になったことにより、関係者の“帰宅問題”も発生してしまった今年の暑熱対策。こちらについては関西だけなく関東の関係者からも、同じように不満の声が漏れていた。
今年は2週間の試みだが、来年はさらに増えるという話も出ているらしい。成功と判断したJRAが、さらに拡大する方向で検討しているようなら、いずれは現場サイドから我慢の限界と反発する声が出ても不思議ではなさそうだ。
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