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小倉がなくても「アクシデント多発」新潟に不満の声? 暑熱対策の効果にも疑問…悲鳴を上げた中堅騎手が「大胆提案」も実現は難しく

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 8月に入り盛り上がりを見せる夏競馬だが、先週と今週は新潟と札幌の2場開催。例年であれば小倉開催が行われる時期ながら、今年は7月の開催はなく少し遅れて8月中旬からの開幕となる。

 その背景には熱中症のリスクが高い時間帯のレースを避けることを目的としたJRAの暑熱対策も含まれている。

 実際に来年からは7、8月の北海道を除く夏季競馬で1Rの発走時間を前倒しして5R終了後に中断。3時間半ほどの昼休みを挟んだ15時頃に再開するという。準メインやメインレースの発走時間は据え置くようだが、最終12Rは18時半頃に行われる予定だ。

 ただJRAのこういった試みは、関係者の思惑にちょっとした誤算をもたらしたという。

 先週末の結果も関東馬7勝に対し、関西馬17勝と大差がついたように、夏の新潟は関西馬が圧倒的に強いことでも知られている。この傾向を意識した関東の陣営は、強い関西馬との対決を避けるため、先月の福島開催に出走させたり、優先出走権を持った馬は12日の小倉開催まで待機させるなどしているらしい。

 結果的に重賞の新潟ジャンプS(J・G3)とアイビスサマーダッシュ(G3)が、いずれも関東馬のワンツーで決着したことは嬉しい誤算だっただろう。

「今年はそこまで関西馬も揃っておらず、水曜に想定が出た際にはフルゲート割れや権利持ちのいないレースが散見されたように、関東の陣営が危惧するほど関西の強い馬が大量に参戦した訳でもありませんでした。

昨年は夏の新潟でデビューしたリバティアイランドが今春の牝馬二冠を制するなど、関西のトップステーブルが期待馬を使う印象が強かっただけでなく、今年は美浦の坂路が閉鎖中で調整に苦労している陣営が多かったことも弱気になる原因だったかもしれません」(競馬記者)

 関東の陣営が予想以上の善戦を演じた一方、新潟で騎乗していた騎手には別の視点から懸念する声も出ていたらしい。

悲鳴を上げた中堅騎手が「大胆提案」も…

「小倉が暑そうだから開催を先延ばしにしたといっても、新潟開催当日の気温は35度や36度くらいあったそうです。実際に競馬でも熱中症の疑いのあった馬の大敗や競走除外が多かったのも、その影響かもしれません。

そういう意味では小倉も新潟もこれといった大差もないように感じましたし、場当たり的な対応をするくらいなら、いっそのことこの時期は函館と札幌だけでやった方がいいという騎手もいました」(同)

 一昔前に比べて年々温暖化の影響で夏場の気温は上昇する一方。かといってJRAとしても2場開催どころか北海道のみというのは興行的にも避けたいところ。開催が減少すると騎手側もレースで騎乗馬の確保が難しくなるだけに、ただでさえ乗鞍の少ない中堅騎手たちが悲鳴を上げたのも分かる話だ。

 まだまだ続く酷暑、人馬ともに大きな事故の発生もなく、夏競馬が無事に終わることを願いたい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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