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前年の最高価格馬は「行方不明」、4.5億円ホースは「馬券圏外」…2年連続「超高額馬」落札のオーナーに厳しい現実

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撮影:Ruriko.I

 先月30日に行われた新潟・芝1800mの2歳新馬戦は、2番人気カンティアーモが優勝。最後の直線で一旦は2着馬に前に出られるも、差し返す勝負根性を見せてデビューVを決めた。

 勝ちタイムの1分46秒4は、従来の記録を0秒1更新するレコード。同馬を所有するシルクレーシングの米本昌史代表は「能力が一級品であることは間違いない」と絶賛。騎乗した川田将雅騎手が「まだコントロールが難しい」とあえて課題を挙げたのも期待の高さの表れだろう。

 父は無敗の三冠牝馬デアリングタクトと同じエピファネイアであり、近親には2歳王者のアルフレードや名スプリンターのサクラバクシンオーなどがいる良血。今後は間隔を空けて成長を促す予定のようだが、来春の牝馬クラシックへ向けて楽しみな1頭が現れたことは間違いない。

 その一方で、1番人気に推されていたホウオウプロサンゲ(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)と坂井瑠星騎手のコンビは、直線で伸びを欠き4着に終わっている。

 同馬は2021年のセレクトセールにおいて、税込み4億5100万円の超高価格で落札されて話題を集めたキズナ産駒。兄には2019年の牡馬クラシック三冠で2、3、3着と健闘したヴェロックスがいる期待の血統馬だ。

 関西の名門・矢作厩舎に入厩し、調教では重賞ウイナーのホウホウアマゾンに食らいつくなど力強い動きを披露。厩舎のエース・坂井騎手を配してきたことからも、必勝態勢を敷いてきたと思われた今回は、その走りに多くの注目が集まっていた。

 レースでは1枠1番からスタートを決めると、道中は前を行く2頭から離れた3番手を追走する。スムーズに直線を向いたことで、あとは先行勢を捕らえるだけかと思われた。

 だが追い比べで後れを取ると、外から2着馬に一瞬で交わされて万事休す。先行勢との差はみるみる開いていき、最後は馬券圏内にすら入れない結果となった。

 レース後、ネットの掲示板やSNSなどには「値段を考えるともう少し見せ場を作ってほしかった」「1番人気だったのに馬券にも絡めないとは」「パドックでは抜群によく見えたんだけどな」といったホウオウプロサンゲの敗戦を残念がるコメントも寄せられていた。

2年連続「超高額馬」落札のオーナーに厳しい現実

 また、期待の高額馬の初戦黒星は、同馬を所有する小笹芳央オーナーにとっても痛恨だったかもしれない。

 というのも、同オーナーはホウオウプロサンゲを落札する前年のセレクトセール2020においても、税込み4億1800万円でヒルダズパッションの2020(ホウオウリュウセイ)を購入。同馬は海外G1馬ヨシダや重賞ウイナー・サンクテュエールの下にあたる良血であり、同年のセレクトセール当歳セッションにおいて最高落札価格の馬でもあった。

 小笹オーナーは同馬を落札後、「ムキになりすぎました(笑)。ただこの馬が抜けて素晴らしい馬でしたので、何としても落札したいと思っていました」と喜びのコメント。クラシック級の活躍を期待していたことは想像に難くないだろう。

 だがホウオウリュウセイは日本ダービー(G1)や皐月賞(G1)に出走するどころか、3歳8月となった現在もデビューすらできていない。それどころか厩舎にすら入れていないなど、ほぼ行方不明に近い状況が続いている。

 それだけに、プロサンゲにはリュウセイの分まで期待したいところだったと思われるが、勝ち馬に約10馬身もの大差をつけられて完敗という厳しい船出となってしまった。

「デビュー戦は完敗に終わったホウオウプロサンゲですが、レース後に坂井騎手が『レースの流れが速く、追走にいっぱいで、そのぶん脚が溜まりませんでした』と話していたことから、今日のところはペースもあまり向かなかったのでしょう。

もともと週初めの時点で出走が流動的であり、坂井騎手は『これから良くなる馬です。初戦としては、悪くない内容でした』とも続けていたので、ここを叩かれて変わってくるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 キズナ産駒でG1を勝っているアカイイトやソングライン、牡馬の出世頭であるディープボンドも、実は初戦で黒星を喫している。それを考えるとホウオウプロサンゲも、この一戦のみで評価を落とす必要はないだろう。次戦での巻き返しに期待したい。

GJ 編集部

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