ハズレても「1億6000万円返還」にファンは泣き笑い… 1番人気ライトバック放馬の除外で嬉しい誤算?
1日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は、最後の直線で2番手から抜け出した8番人気の伏兵シンリョクカがセレシオンの猛追をハナ差凌いで優勝した。
3着に敗れた3月の中山牝馬S(G3)で復調気配を見せていたが、前走の福島牝馬S(G3)は3コーナー手前に転倒して競走中止。キ甲にヒビが入り、騎乗していた木幡初騎手も落馬により右尺骨の骨折するアクシデントに見舞われていた。
ようやく人馬が無事に復帰した新潟記念で2022年10月東京のデビュー戦以来となる2勝目を挙げ、それも重賞のオマケつき。鞍上の木幡初也騎手と竹内正洋調教師にとっても嬉しい初重賞制覇となり、木幡初騎手も「落馬負傷で休み福島で復帰しましたが、悪い夏ではなかったです」と振り返るなど、秋に向けて大きな弾みがついた。
1番人気ライトバックの放馬がWIN5に大きく影響?
これに対し、まさかのアクシデントが発生してしまったのは、絶対に勝ちたかった一戦を前に放馬で除外となったライトバック(牝3、栗東・茶木太樹厩舎)だ。
この件については坂井瑠星騎手も自身のSNSで説明。どうやら「ハミがないまま最後の直線まで走ってしまい、これ以上走るのは危険と感じて飛び降りる判断をしました」とのこと。幸い人馬ともに大きなケガはなく無事だったようで、状況を把握したファンや関係者もホッと胸を撫で下ろしたはずだ。
ただ、レース直前まで1番人気に支持されていた本命馬の除外によって新潟記念の発走は7分遅延。発売された72億3063万8600円のうち、ライトバック絡みの26億1796万7200円が返還となった。
その一方、JRAが指定する5つのレースすべての1着馬を当てる「WIN5」を購入していたファンにも泣き笑いが発生した。
7番人気→1番人気→2番人気→1番人気→8番人気で決着したこともあり、的中票が44票だったこの日の払戻金は778万3610円の高配当。最初と最後だけ穴馬の勝つ結果だった割には意外とついた印象だ。
しかし、ライトバックがもし無事に出走して新潟記念を制していた場合は、ここまで配当が跳ね上がることもなかっただろう。
「新潟記念でライトバックが1着だった場合、おそらく60~70万くらい。そしてライトバックが出走した上でシンリョクカが優勝していれば、1035万円くらいの払戻しが想定されていました。
実際の払戻しとの差額は約260万円。これは“ライトバックのおかげ”で返還された関係でしょう。トータルだと1億6185万2300円がライトバック絡みのWIN5を購入していたファンに戻っています」(競馬記者)
そして、もちろんこの結果はWIN5を購入したファンにも大きな影響を及ぼした。
というのも、たとえ新潟記念より先に行われた4つの対象レースでハズレてしまったとしても、最後にライトバックが入っている馬券は返還対象となるからである。ライトバックの勝敗に関係なく、それまでのレースでハズレていた場合は、ハズレには違いないもののルール上は返還対象。まさに九死に一生を得た格好である。
また、幸運にも44票あった的中者もライトバックに勝たれていれば、ハズレていた可能性もあり、当たったとしても配当が激減したはず。つまり、当たった人間もラッキーなら新潟記念の前にハズレた人間もラッキーだったといえる。
アンラッキーな人間がいたとしたら、ライトバックを購入してリーチで新潟記念を迎えながら、シンリョクカを買っていなかったファンかもしれない
もし5レース目でライトバック1点勝負なら全額が返還されるのだが、他の馬も購入してシンリョクカを買っていなかった場合は戻ってこない。配当が大きく下がったとしてもライトバックが勝てばWIN5を的中できた可能性があった。
とはいえ、「運よく生き返って」返還にありつけたファンにとっては好都合。キャリーオーバーとはいかないにせよ、今週末の資金として繰り越せそうだ。
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