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JRA「古参馬主」が札幌記念を席巻! 「サクラ」「ナリタ」伝統の一撃が炸裂

 そしてナリタハリケーンの馬主であるオースミは、個人馬主だった山路秀則氏が06年に法人化したものだ。山路氏は故人となり、現在では長男が会社と所有馬を引き継いでいる。山路氏は『ナリタ』と『オースミ』の冠名を預ける厩舎ごとに分けることで知られ、かつてはナリタブライアン、ナリタトップロードらを所有していた。

 いずれの馬も競馬をさほど知らない人間でも、一度は耳にしたことがある程の高い知名度を誇る競走馬である。名馬を所有し、かつては馬主リーディングでも上位に名を連ねるなど栄華を誇っていたさくらコマースとオースミ。だが近年では所有馬の成績はあまり振るっておらず、リーディングでも下位が定位置になっている。

「勝利はあげた馬は少ないものの、重賞勝ちの馬は近年も排出しています。さくらコマースでは15年の京王杯スプリングC(G2)を制したサクラゴスペル、またオースミでは障害で活躍しているオースミムーンがあげられますね。かつてのような名だたる名馬とは巡り会えていないようですが、末永く馬主を続けていることは賞賛に値しますよ。もう一度、それぞれの所有馬がG1ウイナーになれば、古参のファンを中心に懐かしい競馬話に花が咲くのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 札幌記念は多くの人間が”まさか”と思う結末に終わった。だが、連綿たる歴史を持ち古豪と呼ばれるにふさわしいこの2頭の馬主だけは、この結果を当然のものとしてほくそ笑んでいるのかもしれない。

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