【徹底考察】オークス(G1) チェッキーノ「レコード勝ちのフローラSに大きな『落とし穴』。シンハライトとの逆転は!?」
『考察』
トライアルのフローラS(G2)を3馬身差で快勝し、一躍オークス(G1)の有力馬に名乗りを上げたチェッキーノ。ちなみに勝ちタイムが2分を切ったことは、フローラS史上初。つまりはレースレコードでの勝利ということになる。
歴史を振り返ってもレディパステルとサンテミリオンがオークスを勝ち、ローズバドやベッラレイア、エバーブロッサムが2着するなど本番との関連性が強いフローラS。それをレースレコードで制したのだから、本馬が大本命シンハライトの対抗1番手に上げられるのは当然の評価だ。
だが、フローラSの場合、もっと言えば「適距離に未知数な部分が大きい、この時期の牝馬の中距離戦」の場合、走破時計はあまり関係ない傾向があるようだ。
ちなみに従来のレコード2分ジャストでフローラSを勝った2014年のサングレアルは、ブエナビスタの妹として期待されたが本番では7着に惨敗している。従って、チェッキーノがそれを0.3秒更新したことは、さらに400m伸びるオークスを戦う上で大きな意味は持たないのかもしれない。
では、本番のオークスで好走するために「何」が肝心なのか。
下記は、主なオークス好走馬を送り出したフローラSの内容である。ちなみに舞台はすべて東京2000mで行われている。
2001年 2着レディパステル(1着)、3着ローズバド(2着)
前半3ハロン「36.3」後半3ハロン「35.9」 タイム「2:01.5」(良)
2005年 1着ディアデラノビア(3着)
前半3ハロン「36.4」後半3ハロン「34.7」 タイム「2:01.8」(良)
2007年 1着ベッラレイア(2着)
前半3ハロン「36.4」後半3ハロン「35.5」 タイム「2:00.8」(良)
2010年 1着サンテミリオン(1着)
前半3ハロン「36.5」後半3ハロン「34.8」 タイム「2:00.2」(良)
2013年 1着デニムアンドルビー(3着)、エバーブロッサム(2着)
前半3ハロン「37.2」後半3ハロン「34.2」 タイム「2:03.9」(稍重)
※()内はオークスでの着順。
上記はあくまでオークスの勝ち馬をすべて拾った上で、残りは主な好走馬に留めた。すべての年に共通していることは、前半3ハロンよりも後半3ハロンが速い「後傾ラップ」であることだ。
無論、後傾ラップになったフローラSが、漏れなく本番に繋がっているわけではない。ただ上記が示す通り、スローからの上がり勝負になりやすい「オークスと同様のレース傾向」で結果を出している方が、本番に繋がりやすいことは確かである。
ちなみに上記とは逆に後半3ハロンよりも前半3ハロンが速い「前傾ラップ」だったフローラSは過去に4回あったが、オークスで馬券になったのは2003年のシンコールビー(3着)と、不良決着だった2011年のピュアブリーゼ(2着)だけと苦戦傾向は明らかだ。
その上で、チェッキーノのフローラSの前後半は「36.0-36.1」。
数字上は前傾ラップだが、僅か0.1秒差ということは「平均ラップ」の範囲内に入るだろう。過去にフローラSの前後半が0.5秒以内だったのは2回しかないが、ともにオークスで結果を残した馬はいなかった。
PICK UP
Ranking
5:30更新- C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
- “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
- 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
- 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
- C.ルメール「がっくり」まで繰り返さなくても!? 3歳マイル王ジャンタルマンタルが「あの名マイラーにそっくり」と話題
- クロノジェネシス元主戦が「油断騎乗疑惑」で騎乗停止処分!ノーステッキ楽勝ムードからまさかの敗戦…「後味の悪さ」残る結果もキズナ産駒の素質馬がデビュー勝ち
- JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
関連記事
【徹底考察】オークス(G1) ロッテンマイヤー「忘れな草賞経由の女王は過去に4頭。超良血馬は昨年のミッキークイーンに続けるか」
【G1展望・優駿牝馬オークス】大本命シンハライトの「一強」か、それとも新勢力の「台頭」か……同世代にとって「生涯に一度」の頂上決戦が始まる
岩田康誠騎手が「ブエナビスタ級」と絶賛の素質馬参戦で話題のフローラS(G2)。頂上決戦オークスへ向かうのはどの馬か!
【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ショウナンパンドラ「能力は文句なくNo.1。カギを握るのはマイルへの対応だが『重要』なのは……」
【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ルージュバック&シュンドルボン「超スローの中山牝馬S(G3)は『本番』につながるのか」