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【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ルージュバック&シュンドルボン「超スローの中山牝馬S(G3)は『本番』につながるのか」

ru-ju.jpgルージュバック「競馬と景色の写真集」より

『考察』

 3月の中山牝馬S(G3)からのヴィクトリアマイル(G1)出走となるシュンドルボンルージュバック。中山牝馬Sを勝ったのがシュンドルボンで、クビ差の2着がルージュバックだった。

 その中山牝馬Sはスタートから、アルマディヴァンが軽く仕掛けてハナに立つと、どの馬も積極的に競り掛けようとはせず、すんなりと隊列が固まる。3年前のダート1200mの未勝利戦以来の逃げとなったアルマディヴァンも、積極的に逃げるつもりはなかったのかもしれないが、押し出されるようにレースを引っ張ることに。

 そんな中、8枠の15番がルージュバック、大外の16番がシュンドルボンという枠順でスタートした2頭だったが、まずはルージュバックが先団よりすぐ後ろの7番手に取り付き、シュンドルボンはそれをマークする位置取りとなった。

 レースの立ち上がりは「超」が付くほどのスローペース。最初の3ハロンのタイム「38.4秒」はここ10年の当レースでも断トツの遅さである。そのままダラダラとしたペースが続き、1000mの通過が「63.7秒」と同日、同距離で行われた3歳未勝利戦の「63.5秒」よりも遅いペースとなっている。

 しかし、先述した3歳未勝利戦のタイムが「1:52.1」であることに対し、中山牝馬Sは「1:50.3」。実力差を考えれば当然の話だが、ペースが一気に上がったのは1000mを通過してからだった。後方で脚を溜めていたフレイムコードが業を煮やして、一気に先頭に躍り出たのだ。

 3コーナーを回ると各馬の動きが慌ただしくなり、中団に控えていたルージュバックも外から先団に並びかけるように進出を開始している。そして、それを見るようにシュンドルボンもすぐ後ろにいた。

 4コーナーを回り、最後の直線に入ると外からルージュバックが一気に先頭を飲み込もうと、横綱相撲を仕掛ける。シュンドルボンは直線入り口で手前を替えるのに手間取り、一瞬だけ置いて行かれたが、すぐに持ち直した。

 ラスト200mを切って、満を持したようにルージュバックが先頭に立ったが、それを上回る脚色で直後にいたシュンドルボンが並びかけると、そのまま抜き去ったところがゴールだった。

 レースの上がり3ハロン「35.1秒」は、ここ10年の中山牝馬Sで最も速いが、前半戦が超スローペースだったことを踏まえれば特筆すべきものでもない。シュンドルボンはこれが重賞初勝利。ルージュバックは勝ち馬よりも2kg重いハンデをもらいながら、競馬の内容も含め上々の前哨戦だったはずだ。

【血統診断】

・シュンドルボン
 母のネイチャーガイドは未勝利だが「エルコンドルパサー×リヴァーマン」という配合は、クリソライト、マリアライト、リアファルと立て続けに名馬を生み出している名牝クリソプレーズと同配合で、非常に底力を感じる血統背景を持っている。ただし、ディープインパクト産駒の牝馬マリアライトが日経賞で3着、ゼンノロブロイ産駒のリアファルが菊花賞で3着するなど、スピードよりも豊富なスタミナを感じる血統構成でもある。シュンドルボンの場合は、先述した2頭よりもさらにスタミナ色の強いハーツクライ産駒。母方に流れるボールドルーラーの血がスピードを補っている面は多少あるかもしれないが、それでも東京マイルの高速決着には不安が残る血統だ。好位からいつも以上に積極的な競馬で、スタミナを活かしたいところだ。

・ルージュバック
 母ジンジャーパンチはBCディスタフ(G1、現BCレディーズクラシック)など米G1を6勝した歴史的名牝。2007年には、最優秀古馬牝馬にも輝いている。繁殖牝馬として日本に輸入されてからはイマイチだったが、3頭目の本馬でようやく「当たり」が出た。母父オーサムアゲインは日本でほぼ実績がないが、母父としては帝王賞勝ちのローマンレジェンド(スペシャルウィーク)、JBCレディスクラシックを勝ったミラクルレジェンド(フジキセキ)の兄妹を出しており、サンデー系種牡馬との相性は良い。これまでオークス2着やエリザベス女王杯や有馬記念に出走するなど、どちらかといえば長い距離を走っているが、父マンハッタンカフェを含め東京の高速マイルは意外に合うかもしれない。あとは久々のマイル戦なので、感覚的な問題か。

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