【徹底考察】オークス(G1) チェッキーノ「レコード勝ちのフローラSに大きな『落とし穴』。シンハライトとの逆転は!?」
【血統診断】
キングカメハメハ×サンデーサイレンスという、現在の競馬界を代表するような配合にはケチのつけようがない。昨年の二冠馬ドゥラメンテや、ジャパンCを勝ったローズキングダムなど、東京2400mだけを取ってみても素晴らしい成功例を残している。
そこへ本馬チェッキーノは、マイルCSを勝ったシンコウラブリイら数多くの重賞勝ち馬を輩出している名牝ハッピートレイルズの一族で、全兄には東京スポーツ杯2歳を勝ち、皐月賞でも3着したコディーノがいる。文句なしの良血といえるだろう。オークスで十分に主役を張れるだけの血統である。
ただ、気になるのはハッピートレイルズの一族でG1を勝ったのがシンコウラブリイしかいない点だ。日本競馬で長年輝かしい成功を収めている反面、半兄のコディーノを始め、母のハッピーパス、近親のキングストレイル、タイキマーシャル、ロードクロノスなど重賞は勝っているものの、G1になると力不足を露呈する馬が目立つ。本馬はどうか。
≪結論≫
『考察』で述べた通り、オークスの前哨戦となるフローラSにおいて重要なのは、タイムよりもオークスと同じスローペースの流れで結果を残すことだ。今年も目立った逃げ馬は、フラワーCを逃げ切ったエンジェルフェイスしかおらず、スローペースになることが濃厚。その上でチェッキーノが勝ったフローラSは、前半の1000mが59.7秒。数字が示す通り、まずまず前が流れた平均ペースだった。トライアルをレースレコードで3馬身差の勝利は確かに優秀だが、ペースの異なるオークスでそれを過信するのは禁物だといえる。
一方、血統的な距離の不安はまったくない。2400mが未知数の3歳牝馬が集まるオークスでは、強気でいられる血統背景だ。唯一の懸念は【血統診断】で記した通り、本馬がハッピートレイルズの一族であるということくらいか。
チェッキーノもフローラSの内容が優秀だっただけに、余計に本番で一歩及ばない一族のイメージを感じてしまうが、これが単なる杞憂であることを祈りたい。ここまで4戦3勝2着1回で伸び代は十分。ここだけでなく、将来的にも楽しみな馬であることに間違いはないだろう。
(監修=永谷 研(美浦担当))
PICK UP
Ranking
23:30更新- 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
- C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
- “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
- 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
- J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- テーオーロイヤル、ドゥレッツァの骨折も無関係ではない!? タイムトライアルのような京都の高速馬場…宝塚記念前の「怪時計連発」に懸念の声
- JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
- 「叩かれるのが嫌ならSNSすんなよ」斎藤新にSNSの洗礼!? 注目の若手がそれでも大事にしたいこと…「美肌の秘訣」に商品メーカーも反応
- 「絶妙ラップ」でメジロパーマー以来32年ぶり快挙!成績不振&名伯楽からの卒業…ピンチをチャンスに変えた「花の35期生」新人王
関連記事
【徹底考察】オークス(G1) ロッテンマイヤー「忘れな草賞経由の女王は過去に4頭。超良血馬は昨年のミッキークイーンに続けるか」
【G1展望・優駿牝馬オークス】大本命シンハライトの「一強」か、それとも新勢力の「台頭」か……同世代にとって「生涯に一度」の頂上決戦が始まる
岩田康誠騎手が「ブエナビスタ級」と絶賛の素質馬参戦で話題のフローラS(G2)。頂上決戦オークスへ向かうのはどの馬か!
【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ショウナンパンドラ「能力は文句なくNo.1。カギを握るのはマイルへの対応だが『重要』なのは……」
【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ルージュバック&シュンドルボン「超スローの中山牝馬S(G3)は『本番』につながるのか」