オルフェーヴルとエルコンドルパサーの「罪」 凱旋門賞前哨サトノダイヤモンド惨敗で日本競馬が気づいた「当たり前」
現地時間10日、仏G1凱旋門賞の前哨戦であるフォワ賞(G2)。伝統あるステップレースだが、今年は昨年の最優秀3歳サトノダイヤモンドと、ペースメーカーとしてサトノノブレスが参戦。大きな期待を抱かれていたが、結果はサトノダイヤモンドが6頭立て4着、サトノノブレス最下位という無残な結果に終わった。
G1実績や、本番である凱旋門賞で戦う欧州最強のライバルたちを考えれば、ここは圧勝で終わらせたかったところ。そして、多くのファンもまず勝利をつかむであろうと観戦していたのではないか。そんな中での惨敗とあって、落胆の声は少なくはない。
無論、初の海外輸送や、海外馬場の適性に疑問があるディープインパクト産駒という点など不安はあったが、昨年から今年にかけて王者キタサンブラックと「現役最強」を争ったサトノダイヤモンドがここまで見せ場なく敗れたというショックはやはり大きい。非常に高い期待値を背負って日本を飛び出した上で「前哨戦大敗」という例は、これまでの欧州遠征では初めてといえるのではないか(それほど期待値が高くなく惨敗というのはある)。
ただ、これまでが”異常”だったと思えば、納得がいくかもしれない。
当然ながらフォワ賞には、凱旋門賞を狙う欧州の”強豪”が参戦している。今年の勝ち馬であるドイツのチンギスシークレットはここまで本国、イタリア、フランスのレースに参戦しており、今年のベルリン大賞(G1)も制した猛者。2着の地元クロスオブスターズも今年のガネー賞(G1)を勝利し、タリスマニックも重賞戦線で安定した成績を収めるフランス馬だ。国際評価でサトノダイヤモンドが上だとしても、欧州競馬の「イロハ」を知る馬たちを侮ることなどできるわけがない。
ただ、いつの間にか日本の競馬ファンや関係者は、あくまでも「凱旋門賞でどうなるか」に重きを置き、このフォワ賞を「勝ち負けのレースをして当然」と無意識的に位置づけるようになってしまった部分も否定はできない。これほどの惨敗も、少し考えればままあることのはずなのに。
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