
【徹底考察】安田記念(G1) モーリス「敵はライバルにあらず。世界のマイル王が戦う『本当の相手』とは」

『考察』
先月オークス(G1)のシンハライトの徹底考察の際「この春一番の信頼できる1番人気」と綴ったが、本馬モーリスが安田記念(G1)へ参戦してきたことで、その言葉は修正が必要になるかもしれない。
現在、昨年1月の若潮賞(1000万下)からG1の4連勝を含む怒涛の7連勝中の年度代表馬。この触れ込みだけでも十分すぎるほどだが、春のマイル王を決める一戦でそこまで感じさせたのは、やはり前走のチャンピオンズマイル(G1)の内容だ。
5月1日に香港のシャティン競馬場で開催されたチャンピオンズマイル。前半の3ハロンが約36秒というスローペースを先行したモーリスだが、淡々と進むレースの中で、急激にペースが上がったのは4コーナーを回って最後の直線に入ったところだった。
ここまで単騎の逃げに成功し、粘り込みを図るビューティーフレームにコンテントメントが襲い掛かる。だが、そのすぐ後ろにいたモーリスが、他馬とはまったく違う手応えのまま、一気に先頭に躍り出た。
その後は完全にワンマンショー。悠然と先頭を走るモーリスは、あっという間に他馬を置き去りにし、最後は鞍上のJ・モレイラ騎手が手綱を緩めてのゴールだった。
完全アウェイとなる海外G1レースでありながら、まったく危なげない驚愕の走りにモレイラ騎手が「今まで私が乗った馬の中でも最高」と評するのも頷ける。世界レベルの強さだけでなく、レース内容の安定感まで増してきたモーリスが見せたのは、まさに「本格化を迎えた」と表現しても差し支えないほど完成度の高いレース運びだった。
現状、日本競馬史上最強マイラーの可能性すらある本馬だけに、まともにレースすればここにも敵はいないだろう。
ただ、この安田記念に限って、最大の敵はライバルではなく「己自身」にあるかもしれない。
前走のチャンピオンズマイルが5月1日、そして今回の安田記念が6月5日。約1カ月のレース感覚は本来、懸念するほどのレース感覚の短さではない。だが、それが検疫を挟む海外遠征帰りとなれば、いくらモーリスといえど話は違ってくる。
実際に先週の27日の1週前追い切りは、着地検査のため東京競馬場の芝コースで行われている。動きや時計自体に大きな懸念はないが、慣れない国際厩舎での調整は決して全幅の信頼を置いてよいものではないだろう。実際に陣営も「動き自体は良かったが、まだ多少上がりの息が悪かった」とトーンは上がっていない。
無論、本馬の他にもドゥラメンテなどを管理する堀厩舎ならば、この1週間で大幅に良化させてくる可能性もある。ただ、それでも今週の最終追い切りには特に注目したいところだ。
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