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【徹底考察】エプソムC(G3) ルージュバック「彼女は本当に『大物』なのか。負けられない戦いで賞金を加算するには『条件』が必要だ」

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ru-jubakku.jpgルージュバック(競馬つらつらより)

『考察』

 3歳の頃から「大物」と評されてきたルージュバックが、同日に行われる牝馬限定戦のマーメイドS(G3)ではなく、あえてこのエプソムC(G3)に出走する。

 管理する大竹正博調教師は「(マーメイドSは)ハンデ戦で斤量を背負わされるし、(阪神への)長距離輸送もある。広い東京コースの方がいいと判断しました」とコメントしているが、確かに中山牝馬S(G3)で56kg(牡馬換算58㎏)を背負わされたことからも、マーメイドSでも重ハンデは免れなかっただろう。

 それ引き換え、別定戦のこちらでは54㎏。さらに長距離輸送のリスクもなくなり、舞台は百日草特別(500万下)の2歳レコード勝ちや、オークス(G1)2着の実績がある東京競馬場。例え、牡馬が相手でもルージュバックにとってはメリットの方が大きい「妥当な判断」と言えそうだ。

 従って、ここは牡馬が相手でも1番人気になることが濃厚。秋に備えて賞金加算を目論んでの出走だろうが、勝ち切るにはいくつか条件が必要になりそうだ。

 昨年のきさらぎ賞(G3)以来、勝ち星に恵まれていないルージュバックだが、馬券になったきさらぎ賞、オークスと中山牝馬Sには共通点がある。

・きさらぎ賞(G3)1着
1000m通過タイム「61.6秒」コーナー通過順位3-3 ※8頭立て
・オークス(G1)2着
1000m通過タイム「61.3秒」コーナー通過順位6-5-5-4
・中山牝馬S(G3)2着
1000m通過タイム「63.7秒」コーナー通過順位7-7-5-5

 上記の通り、ルージュバックが馬券になったレースはいずれも(2勝した2歳戦を含む)1000mの通過が61秒を上回るような「超スローペース」である。つまり、これまでの戦績から、本馬は超スローペースをある程度の好位で追走し、直線でしぶとく粘り込む戦法が最も適しているようだ。

 この事実から導き出せる答えは、ルージュバックは「世間がイメージしているほど強くはない」ということである。もっと言えば、勝つ、もしくは連対するにはそれなりの展開の助けが必要になるということだ。

 無論、ルージュバックを弱いと述べるつもりはない。前走のヴィクトリアマイル(G1)でも5着に好走し、敗れた上位4頭中3頭はいずれもG1級。4着のスマートレイアーも重賞3勝の実力馬だ。昨年のエリザベス女王杯(G1)にしても後方から4着まで追い上げている。

 従って、ルージュバックは決して弱い馬ではない。ただ、前述したように連対以上を確保するにはどうしても展開の助けが必要で、それはすなわち「相当勝ち味に遅い馬」である可能性はありそうだ。

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