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弥生賞(G2)、今年は「皐月賞前の交流会」なんかじゃない! 武豊騎手が”超本気モード”の切実な理由

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takeyutaka0223-1.jpgSports Graphic Number 888号(文藝春秋)

 先週の中山記念(G2)では4歳「3強」が上位を独占したが、今週の3歳「3強」はどうだろうか。週末の6日(日)に開催される皐月賞トライアル弥生賞(G2)のメンバーが「超豪華すぎる」と早くも話題になっている。

 話題の中心は、やはり昨年の2歳王者リオンディーズ。阪神外回りコースという言い訳の利かない舞台で見せた圧巻の走りは、朝日杯FS(G1)を制した時点で「今年の三冠はこの馬」という声さえあった。

 それを追う形でリベンジを果たしたいのが、朝日杯FSで2着だったエアスピネル。2歳G1では勝ち馬の末脚に屈したが、ここでの巻き返しを狙っている。さらには年明けの若駒S(OP)を上がり3ハロン32.6秒という異次元の末脚で快勝したマカヒキ。父を想起させる切れ味に「ディープインパクトの再来」とまで称されている。

 以上の3頭が、週末の弥生賞での「3強」である。

 ただ、本番はまだ先……ここはトライアル特有の”お互い手探りの戦い”になるのではないかと考えているファンも多いようだ。競馬のファンのサイトでは「意外と凡戦になるのでは」「ここは皐月賞前の交流会」などの声が飛んでいる。

 確かに何も3強の中で一番にならなくとも、ここでは3着以内にさえ入線すれば皐月賞(G1)への切符は手に入る。常識的に考えれば、各陣営がここで100%の仕上げを施すことはまず考えにくい。

 しかし、その一方でこの弥生賞で”本気モード”にならざるを得ないであろう男がいる……。それこそが今年、完全復活をテーマに掲げて燃えている競馬界の帝王・武豊騎手だ。

 今年の年明け、武豊騎手にとって3歳牡馬クラシックは順風満々。まさに「最終的に武豊が選んだ馬がクラシックを勝つ」と言われた時代の再来さえ予感させる、お手馬の豪華ラインナップだった。

 先述した朝日杯FSの2着馬エアスピネルを筆頭に、東京スポーツ杯2歳(G3)を勝ったスマートオーディン、ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)を勝ったドレッドノータス、年明けの福寿草特別を圧勝した2億円馬ロイカバード、素質馬ブラックスピネルと、まさに選り取り見取り……。

“時代”は、再び武豊に大きく傾きかけていた。

 ところが、ロイカバードが「合計5億円対決」と注目されたきさらぎ賞(G3)でサトノダイヤモンドに完敗。まさかの3着となりクラシック出走に黄色信号が灯ると、続く共同通信杯(G3)でスマートオーディンが一切の見せ場なく惨敗……。

 一度起こった”負の連鎖”は止まらず、先日のすみれS(OP)でブラックスピネルも1番人気を背負いながらの2着。賞金を加算できずにクラシック参戦が危うい状態だ。ドレッドノータスにしても京都2歳Sで下したメンバーがその後に惨敗を繰り返し、その能力が疑問視されている。

 そうなると残ったのは、今週の弥生賞に出走する”武豊軍団”大将格のエアスピネルのみ……。

 武豊騎手にしても、ここで存在感を取り戻すために何としても勝利が欲しいところだ。万が一、惨敗などしようものなら本人にとって今年の3歳牡馬クラシックは、低迷が続いた近年と同じく”参加するだけ”のものとなってしまう。

「勝って本番の皐月賞へ行きたい」と雪辱に力を込めている武豊騎手。年明けまでは確かに存在した”武豊時代”の再来の気配を幻にしないためにも、弥生賞でのエアスピネルの走りに期待したい。

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