
マイル王モーリス香港のJ.モレイラ騎手と共に8.21札幌記念(G2)参戦へ!陣営の迅速な決断の「裏側」にあった既定路線とは

先日5日の安田記念(G1)でまさかの敗戦を喫したモーリス(牡5歳、美浦・堀厩舎)が、秋競馬に向け8月21日の札幌記念(G2、2000m)から始動することが決まった。
昨年の年度代表馬として、さらには「世界のマイル王」としての”壮行会”とさえ目されていた安田記念で、伏兵ロゴタイプの乾坤一擲の逃げ切りを許したモーリス。昨年1月から続いていた破竹の7連勝に終止符が打たれ、欧州を見据えた世界進出は白紙となっていた。
とはいえ、すでにマイルG1を4勝しているモーリスにとって、もはや国内マイル路線でやり残したことはほぼないといった状況。
無論、さらなる地盤固めに意味を求める選択肢もあったが、マイル路線継続ならばアジアを出て世界へ、国内なら中距離路線への進出というのが、ファンやメディアの望むところでもあった。
そこで打ち出されたマイル王の中距離挑戦。参戦が予定されている札幌記念は、他のG2レースよりも賞金が高い「スーパーG2」といわれており夏競馬最大のレースとして、ここを秋の始動戦に選ぶ超一流馬も多い。結果によるだろうが、陣営の視線の先には10月の天皇賞・秋(G1、2000m)参戦が入っていることに間違いはなさそうだ。
モーリスにとって2000m以上の距離への挑戦は、7着に敗れた3歳春の京都新聞杯(G2、2200m)以来となるが、今回の札幌記念挑戦にはもう一つ大きな理由がある。
それこそが、香港を拠点に活躍している世界の名手J.モレイラ騎手の存在だ。
昨年、札幌競馬場で開催されたワールドオールスタージョッキーズへの参戦を目的に、初来日を果たしたモレイラ騎手。香港競馬で圧倒的な実績を残しているその手腕で見事優勝を果たすと、日本競馬にも衝撃をもたらした。
その際も日本競馬の素晴らしさに強い関心を示していたモレイラ騎手だが、今春には早くも短期免許での来日を示唆。今年も招待が確実視されているワールドオールスタージョッキーズの開催に合わせて、夏競馬での滞在を希望していた。
今回はその希望が叶い、8月中旬から3週間の短期免許での来日が予定されている。そして、その期間内にモーリスが出走する札幌記念が開催されるということだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 名コンビ・吉田隼人×ソダシは「なぜ」解散に至ったのか。D.レーン→川田将雅「勝利至上主義」に走った陣営の裏事情
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 武豊が「告白」宝塚記念(G1)キタサンブラック大敗劇で「最大の敗因」とされるサトノクラウンの”荒技”の影響……凱旋門賞消滅への思いと「雪辱の秋」へ<2>
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去