
3億円で買った馬でその成績!?。セレクトセールはまさに別世界

ドゥラメンテの電撃引退は残念だが競馬に休みはない。今週もいつもどおりにレースがあり、新たな新馬がデビューする。そしてドゥラメンテの後を継ぐ若駒も日々誕生しているのだ。
7月11~12日には北海道苫小牧にあるノーザンホースパークにてセレクトセールが行われる。このセールは未来のダービーを目指す若駒を取引するサラブレッドの競りで、昨年の総売上は脅威の約131億円。今年も2日間で約500頭が顔を並べるという国内でも最大級のイベントだ。
このセレクトセールは1998年から始まり今年で19回目だが、過去に取引された馬にはあのディープインパクト、キングカメハメハ、ジャスタウェイといった名馬が多数存在する。ちなみにディープインパクトの落札価格は7000万円。この馬が無敵の強さを誇りG1レースを7勝、約15億円の賞金を獲得し種牡馬となった今も年間75億円ほどを稼いでいるのだ。まさに宝の山が眠っているといっても過言ではない。
しかし過去の取引馬を見ると意外にも「高額落札馬=活躍」という図式は見えない。2013年のセレクトセールで2億4000万円で落札されたロイカバードは、今年2勝しかできず日本ダービーも皐月賞も出走することができなかった。また同じ2014年で2億3000万円で取引されたサトノダイヤモンドは皐月賞3着、日本ダービー2着という結果。これはマズマズの成績だが、オーナーの期待に応えられなかったというのも事実だろう。しかし過去の高額落札馬を見るととんでもない実情がわかる。ほとんどの馬が活躍できていないのだ。
セレクトセールが始まった1998年から現3歳馬世代の2013年まで)において、1億円以上で落札された馬は合計106頭。2億円以上は17頭、3億円以上6頭、4億円以上2頭、最高額はなんと6億円というから驚きだ。そしてこの中から3億円以上で落札された8頭の成績を見ると衝撃の事実がわかる。
■1位 6億円
2006年セレクトセールでグローブエクワインマネージメント(有) が落札
父キングカメハメハ
母トゥザヴィクトリー
馬名ディナシー
→未出走で引退。獲得賞金0円。繁殖牝馬として4頭を輩出も活躍馬はゼロ。
■2位 4億9000万円
2004年セレクトセールでフサイチでおなじみ関口房朗氏が落札
父ダンスインザダーク
母エアグルーヴ
馬名ザサンデーフサイチ
→41戦3勝で引退。獲得賞金約7196万円。現在は種牡馬で2015年の種付け数は7頭。
■3位 3億6000万円
2011年セレクトセールでグローブエクワインマネージメント(有) が落札
父ディープインパクト
母エアグルーヴ
馬名ラストグルーヴ
→1戦1勝で引退。獲得賞金約600万円。繁殖牝馬として初年度産駒が来年デビュー予定。
■4位 3億3500万円
2002年セレクトセールでトーセンの島川隆哉氏が落札
父サンデーサイレンス
母ダンシングキイ
馬名トーセンダンス
→1戦0勝で引退。獲得賞金ほぼ0円。現在は種牡馬として細々と活躍馬を輩出している。
■5位 3億3000万円
2003年セレクトセールでフサイチの関口房朗氏が落札
父サンデーサイレンス
母セトフローリアンII
馬名フサイチジャンク
→16戦4勝。獲得賞金約8909万円。4戦4勝で挑んだ皐月賞は3着。その後は一勝もできず引退。
■6位 3億2000万円
2000年セレクトセールで岡田美佐子氏が落札
父サンデーサイレンス
母フランクアーギュメント
馬名カーム
→JRAでは未勝利。地方へ移籍後通算30戦14勝で引退。獲得賞金約757万円。その後青森で種牡馬となったが活躍馬は出ていない。
■7位 3億円
2006年セレクトセールでダーレー・ジャパン(株) が落札
父フレンチデピュティ
母ブルーアヴェニュー
→海外1戦0勝で引退。獲得賞金ほぼ0円?
■7位 3億円
2007年セレクトセールでアドマイヤでお馴染み近藤利一氏が落札
父クロフネ
母マイケイティーズ
馬名アドマイヤハーレ
→2戦1勝で引退。獲得賞金約690万円。
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