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セレクトセール裏回顧~馬主勢力の移り変わり・生産界の闇~

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 しかしその実態は日本競走馬協会のバックに社台グループがいることもあり、上場馬の多くを社台グループの生産馬が占めている。そして多くの購買者は社台グループの生産馬を重視するような傾向になってしまっているのだ。実際に同じディープインパクト産駒であっても、社台グループの生産馬は余裕で1億円を超えるが、社台グループ以外の生産馬だと1億円に届かないケースが多かった。

 また数十頭も上場する社台グループと異なり、1頭しか上場しないような零細牧場も少なくない。しかもその一頭が売れず主取りとなってしまうケースもあり、決して華やかな結果だけではないのだ。ただここで売れなくても多くの関係者の目に付くこともあり、後から「値段交渉」によって売却できるケースがほとんど。ただしこれは期待していたよりも値段が下がってしまうケースが多いようだ。

 また一部の生産者からは「社台グループではない特定の牧場が優遇されていて不公平」との声もある。その一つがレイクヴィラファームだ。このレイクヴィラファームは名門メジロ牧場のスタッフがメジロ牧場の跡地に設立した牧場。代表の岩崎伸道氏はノーザンファームの吉田勝巳氏と親友との関係から、同牧場の馬がセレクトセールに優遇されて上場されているというのだ。

 今年の上場頭数19頭はノーザンファーム、社台ファーム、ノーザンレーシングに次ぐ4番目の多さ。社台グループの追分ファームよりも頭数が多いのだからさすがに不自然だ。またレイクヴィラファームの生産馬で重賞勝ち馬は2014年青葉賞を制したショウナンラグーンのみ。今年はいまだ8勝のみと生産者リーディングも30位ほどに位置している。ちなみに昨年のセレクトセールは19頭、一昨年も18頭が上場と今年とほぼ同じ数字。他の名門牧場を差し置いてこれだけの頭数を上場できるのが不自然と映るのはしかないところだろう。

「古い血統が多いですしレイクヴィラファームのレベルなら多くて6頭が妥当な線では。その分他の牧場の枠を増やすべきだったのではないでしょうか。上場できなかった馬でレイクヴィラファームの馬よりもいい馬はいたようですし」

 という声が他の生産者から上がるのも当然といえるだろう。

 かつて年間1万頭以上生産されていた時代と異なり、今や年間7000頭ほどしかサラブレッドは生産されていない。日本の生産界を盛り上げるためにも、今後は一部の生産者だけが潤う世界ではなく、より公平な仕組みと競走の場が求められるだろう。

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