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ほしのあきも困惑? 「黒船来襲」でベテラン日本人騎手の収入が激減! 日本競馬に未来は?

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 どんなスポーツ選手も年齢による衰えは否定できない。そして、その衰えは時に残酷でもある。かつて三冠王に輝き年俸5億円の輝きを誇った元福岡ソフトバンクホークスの松中信彦選手(41歳)は、自由契約となって現役続行を模索するも、どこの球団からも声がかからず引退は目前。

 あるいは、かつて日本代表のゴールキーパーとしてワールドカップでも活躍した川口能活選手(40歳)は、いまやJ3相模原に所属し、現役を続行するも名前を聞く機会すら少ない。

 それでも、一流選手ともなれば引退後にコーチや解説者、評論家といった仕事を得ることができるだけ、やはりメジャーな野球やサッカーは有利である。しかし、同じアスリートでも引退後の展望がまったく不透明な競技がある。それが騎手だ。

 野球やサッカー、バレーボールやバスケットボールなどの一般的なスポーツと異なり、騎手や乗馬といった「馬」に関わる競技は非日常的だ。それだけに引退後の騎手が活躍できる場面は少ない。先日引退を表明した花田大昂騎手のように、馬に乗る機会に恵まれず勝てなくなった若手騎手が、調教助手となって再出発することはよくみられるが、雑用も多いこの仕事は若手騎手からの転職が多く、ベテランはあまり見かけない。

 加えてテレビに出るような予想家や評論家といった「枠」もほぼ埋め尽くされており、よほど知識や実績、そしてトークに長けていないと割って入ることは難しいのが現実だ。
ベテランになればなるほど厳しい現実が待っている競馬だが、さらに追い打ちをかける制度が昨年始まった。2015年からJRA(日本中央競馬会)の新たな方針として、試験に合格すれば外国人騎手でもJRAに所属できるようになったのだ。

 その結果、ミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールといったJRA所属の外国人騎手が誕生し、初年度から2人で230勝を超えるなど日本人騎手を圧倒する大活躍。今年もリーディング1~2位を分け合っている状況だ。そのあおりを受けたのは、いわゆる日本人の中堅ベテラン騎手である。

 現在の日本競馬は、2人の外国人騎手と短期免許で来日する外国人騎手、さらにごく一部の東西のトップジョッキーと将来性豊かな若手騎手が中心となっており、ベテラン騎手の騎乗回数、そして騎乗馬の質は低下する一方。

 通算2,221勝をあげたベテラン・柴田善臣騎手は、2004年に年間146勝を記録したが、昨年は45勝、今年に至っては2月7日現在でまだ未勝利である。

 また、カッチーの愛称で人気を集めた田中勝春騎手も2007年の109勝をピークに昨年は34勝まで下落、そして今年は騎乗停止もあってか、まだ未勝利なのである。

 さらに、武豊騎手の弟である武幸四郎騎手は2004年に61勝、通算G1レース6勝をあげながら昨年はわずか13勝、今年もまだ1勝にとどまっている。

 他にも怪我で休養中の騎手を除いて今年未勝利という騎手は多くおり、その数はなんと40名というから驚きだ。JRA所属騎手は120名ほどだから、実に3分の1が1カ月を経過して未勝利なのである。

 彼らに共通していることは、明らかに体力的にも技術的にも衰えが感じられることだろう。2015年の1番人気馬での騎乗結果は柴田善臣騎手が勝率26.7%、田中勝春騎手は勝率16.7%。二人とも2016年は1番人気で未勝利とまるで勝てていない。前述した外国人騎手デムーロの勝率37.1%、ルメールの勝率35.1%と比較しても実力差は明白。

 この数字を見せられては、馬主も調教師もベテラン騎手から外国人騎手にシフトしていくのは自然な流れだろう。

 しかし悲惨なのは当の本人達。2015年推定収入6,500万円強だった柴田善臣騎手は、このまま未勝利では終わらないだろうが、仮に騎乗回数も減少して10勝程度に終わった場合、推定収入は3,000~3,500万円程度に半減する。それは他の騎手も同様である。

 他にも、ほしのあきの夫としてお馴染みの三浦皇成騎手も大きく成績を落としており、このペースでいけば昨年の半分程度に収入が落ちる計算になる。この現実にはほしのあきも気が気でないだろう。

 騎手は基本的に個人事業主。税金の支払い等を考えれば生活に与える影響は大きく、スチュワーデスと再婚して幼い子供を抱える田中勝春騎手とすれば、衰えは即死活問題につながる。

 しかしプロ野球やJリーグで夢を与えるのが日本人選手であるように、日本競馬の将来を考えれば、日本人騎手が外国人騎手に劣っている姿は見たくないもの。彼らの生活のためにも、周囲の低評価を覆すベテラン騎手達の活躍に期待したい。

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