
【徹底考察】天皇賞・春(G1) ゴールドアクター&サウンズオブアース「因縁の2頭のワン・ツーが厳しい『明確な理由』を解説」

「考察」
かつてのテイエムオペラオーVSメイショウドトウを彷彿とさせる「因縁の対決」が第3ラウンドを迎える。
昨年の有馬記念(G1)でお互い8番人気と5番人気でワン・ツーゴールし、下馬評を覆したゴールドアクターとサウンズオブアース。同級生、共に3歳時の菊花賞(G1)では2着、3着した間柄で久々の揃い踏みとなっていた。
さらに、お互い「超一流」と称されるようになって迎えた今年の始動戦・日経賞(G2)で再び相まみえた両雄。共に休み明けの一戦だったものの、今度はグランプリホースとしてゴールドアクターが、サウンズオブアースよりも2kg重い斤量を背負っていた。
だが、戦いを制したのは、またも前者ゴールドアクターだった。
とはいえ、連敗したサウンズオブアースに逆転の芽が完全になくなったわけではないはずだ。有馬記念はクビ差の決着。2kgの斤量差があったものの、コンディションが本物ではなかった日経賞でも3/4馬身差。着差だけに注目すれば、決して逆転できない差ではない。
しかし、実はこの2頭の間には「着差以上の実力差」が潜んでいる可能性がある。
まずは同じ中山の芝2500mで行われた、有馬記念と日経賞の時計関係を比較していただきたい。
有馬記念(G1)
勝ちタイム「2:33.0」
前半1000m通過タイム「62.4秒」 上がり3ハロン「35.0秒」
ラップ「7.0 – 11.7 – 12.2 – 12.5 – 12.7 – 12.8 – 12.6 – 12.6 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.3 – 12.2」
日経賞(G2)
勝ちタイム「2:36.8」
前半1000m通過タイム「65.1秒」 上がり3ハロン「33.9秒」
ラップ「7.0 – 12.1 – 12.6 – 13.1 – 13.1 – 13.7 – 13.5 – 13.2 – 12.4 – 12.2 – 11.8 – 10.9 – 11.2」
どちらも今の長距離戦らしいスローペースだが、全体時計は日経賞が3.8秒も遅い。これは日経賞が”本番”でないこと、9頭の小頭数だったことなど様々な要因が考えられる。それでもあえて差をつけるとすれば、有馬記念が「スローペース」、日経賞が「超スローペース」だったといえるだろう。
前半1000m通過タイム、上がり3ハロンのタイムを比較しても、確実に日経賞より有馬記念の方がタイトなレースであり、言い換えれば日経賞より有馬記念の方が「前にいる馬にとって厳しいレース」だったといえる。
それを踏まえた上で、もう一度この2つのレースを振り返ってほしい。
まず「前にいる馬にとって厳しいレース」となる有馬記念で、中団やや前目から差す競馬をしたサウンズオブアースに対し、ゴールドアクターは3番手から直線で抜け出し、そのまま押し切っている。
そして、有馬記念と比較して「前にいる馬にとって有利なレース」であるはずの日経賞においては、先に抜け出したサウンズオブアースを後から追い掛けたゴールドアクターが差し切っている。
つまり、この2レースは共にサウンズオブアースに「有利な流れ」であるはずなのに、いずれもゴールドアクターが勝利しているということになる。これが現状の2頭の力の差なのかもしれない。
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