
さらば愛しのペルーサ。デビュー後のインパクトと「出遅れ病」、そして「不遇」と「記録的復活」まで。根強い人気を誇った個性的な競走生活

本当にファンが多く、愛され続けた馬だった。
1日、9歳馬ペルーサの引退、種牡馬入りが発表された。通算成績は28戦5勝。2010年の青葉賞が唯一の重賞勝利である。
デビューから青葉賞まで4戦4勝。特に青葉賞では1.4倍の人気に応え、後に重賞5勝を上げるトゥザグローリー4馬身突き放す圧勝で、一躍日本ダービーの本命候補となる。タイムもダービー並みで、ハイレベルとされた10年のクラシック世代でもトップクラスの大物と目された。
しかし、本番のダービーでは出遅れと極端なスローペースに巻き込まれ6着。一時は「凱旋門賞挑戦」という声もあったが、国内専念となってしまった。
秋は毎日王冠で5着、天皇賞・秋で最強牝馬ブエナビスタに完敗の2着、ジャパンカップでは5着と勝ちきれず、そのすべてで「出遅れ」というゲートの深刻さを露呈。
かと思えば、有馬記念では好スタートを切り、ファンも「いよいよくるか!」と思ったものの伸びきれず4着。せめて馬券に入ってくれよとファンを落胆させつつ、期待が大きい中で妙なレースを展開するペルーサのファンは増加していった。
4歳時には出遅れグセは直ったものの日経賞で2着、天皇賞・春(G1)8着と勝ちきれず。天皇賞・秋は目の覚めるような末脚を披露して3着に食い込むも、ジャパンカップでは最下位だった。どうしても結果が出ない、そんな時期が長い馬であった。
5歳になると重賞ではないオープン白富士Sで2着と敗れ、さすがに「苦しい」という見方がより強まった。その予測どおり、マイルG1の安田記念では最下位に終わる。その後喘鳴症が発覚し、1年半の休養を強いられることとなる。
復帰したのは7歳時、同じくオープンの白富士S。ここで12着となり、ファンもいよいよ見限ってしまった。その後も重賞を中心に出走するも惨敗を繰り返し、8歳夏になっても復調の兆しは見えなかった。
PICK UP
Ranking
5:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- セイウンハーデスにも襲い掛かった「不治の病」…“奇跡の復活”カネヒキリ以来の伝説に挑む
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬