凱旋門賞(G1)に風雲急!? 英オークス(G1)新女王ラヴが9馬身差圧勝で、最強女王エネイブルのレコード更新!
4日、英国のエプソム競馬場で英オークス(G1)が行われ、1番人気のラヴ(牝3歳、英・A. オブライエン厩舎)が優勝。英1000ギニー(G1)に続く連勝で、英牝馬クラシック二冠を達成した。
「こんなに離しているとは思いませんでした」
レース後、鞍上のR.ムーア騎手が振り返った通り、まさに圧巻のレースだった。8頭立てでの芝・約2400mのレース。エプソム競馬場の長い最後の直線で逃げ馬を捉えたラヴは、そこからムーア騎手のゴーサインに応えると、あっという間に後続を突き放した。
結局、2着に9馬身差をつける圧勝劇。勝ちタイム2分34秒06は、2017年にエネイブルが記録した2分34秒13を0.07秒更新するレースレコードだ。
「ここまで8戦4勝だったラヴですが、マイル以下は少し忙しい印象。血統的には『距離が伸びてこそ』と言われていましたが、まさかここまで強いレースをするとは。手前を替えるのが遅かったり、スパートしてからは内にもたれるなど、まだ粗削りな面がありますが、後続を瞬時に置き去りにした瞬発力は圧倒的でした。
レコードを記録した勝ち時計も然ることながら、インパクトはこのレースを5馬身差で勝利しているエネイブルに勝るとも劣らないものがありました」(競馬記者)
この圧勝劇には、世界的名伯楽のオブライエン調教師も「普段の調教も乗る人みんなが絶賛し、信じられないキャンターをする馬。次のレースが待ちきれません」と興奮気味。次走は2017年のエネイブルと同じく愛オークス(G1)が有力視されている。
「この結果を受け、ラヴは欧州の大手ブックメーカーによる凱旋門賞(G1)の単勝オッズで、エネイブルに次ぐ2番人気に浮上しています。3歳牝馬は斤量的に有利ですし、今後のレース内容次第では、エネイブルとの逆転まであるかもしれませんよ」(同)
実際にオブライエン調教師も「3歳牝馬が凱旋門賞で通用することはもちろん理解しているし、考えていきたい」と出走に前向きなコメント。「凱旋門賞には当然、出走する可能性がある」と、今後は頂上決戦を見据えたローテーションになりそうだ。
「彼女には明るい未来があります」
そう絶賛するムーア騎手は、昨年11月に日本で東京スポーツ杯2歳S(G3)を勝った際にも「世界へ出ても戦える資格のある馬」とコントレイルを絶賛していただけに、これもリップサービスではないだろう。
凱旋門賞は3歳牝馬の活躍が目立つように、新女王誕生の歴史がある。果たして、引退を撤回したエネイブルが悲願の3勝目を飾るのか、それとも規格外の女王ラヴが新時代の幕開けを告げるのか。
世界最高峰の舞台が、いよいよ熱を帯びてきた。
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