
JRA「悲運の名馬」の妹サヴァニャンが初陣! 「2.1億円馬」は“ジンクス”を超えられるか……金子真人オーナー唯一の「弱点」とは
先週から秋競馬が始まり、2歳戦も本格的になってきた。今週末の3日間開催では多くの注目馬がデビューを控えている。
その中でも、21日の中京5Rに出走するサヴァニャン(牝2歳、栗東・藤原英昭厩舎)に注目したい。
2019年のセレクトセールで2億1000万円という高値で落札されたサヴァニャン。牝馬としては史上5番目の落札価格で金子真人オーナーが競り落とした注目馬だ。
半兄のシャケトラも同オーナーが所有した活躍馬である。昨年、骨折明けで1年1か月ぶりの実戦となったAJCC(G2)でフィエールマンを下し、次走の阪神大賞典(G2)は2着に5馬身差をつける圧勝。天皇賞・春(G1)で初のG1タイトル獲得が期待されたが、追い切り中に左前第一指骨粉砕骨折を発症して、予後不良の診断を受けた。
「シャケトラはノーザンファーム空港牧場で育成中に、『サトノダイヤモンドと双璧』と評価されるほどの素質馬でした。ただ、脚元が弱く、デビューも遅かったですし、最後まで脚部不安との戦いでしたね。
金子オーナーがサヴァニャンを落札したのは、シャケトラが他界した年です。牝馬ながら、2億円越えの高額で落札したのは、シャケトラへの想い入れが相当強かったという理由もあるかもしれませんね」(競馬記者)
17日、栗東CWコースで最終追い切りを行ったサヴァニャンは5ハロン70秒6、ラスト11秒9をマークした。併せた僚馬(2歳新馬)を3馬身追走から、最後は鋭く伸びて併入。デビュー戦に向けて上々の仕上がりと言えるだろう。
だが、唯一不安なのは、これまでに金子オーナーが高額落札した馬の成績だ。
ディープインパクト、キングカメハメハなど、数々の名馬を“低価格”で落札してきた金子オーナーの相馬眼の凄さは言うまでもない。だが、1億円超えの馬になると、結果が伴っていないのだ。
現2歳世代を除くと、過去に1億円超えで落札した馬は19頭。このうち、本賞金が取引価格を超えたのはボーンキング、サイレントディール、ブラックタイドの3頭しかいない。更に、落札価格を2億円超えに限定すると4頭中1頭も元を取れていないのだ。
この傾向が当てはまるとすれば、サヴァニャンも苦戦することになるかもしれない。
志半ばでこの世を去った兄シャケトラの分まで、活躍が期待されるサヴァニャン。まずは無事に新馬戦を突破できるかに注目したい。
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