
JRA川田将雅「この子は何も悪くない」スプリンターズS(G1)あの「悲劇」の涙から10年。師匠・安田隆行調教師に送る「感謝」のG1勝利へ
「記録」よりも「記憶」に残る馬がいる。
ダッシャーゴーゴーも、まさにそんな馬だったのではないだろうか。
2009年、川田将雅騎手を鞍上に迎えデビューしたダッシャーゴーゴー。新馬戦を単勝1.6倍の圧倒的支持に応え快勝すると、乗り替わりなどを経て重賞でも上位争いをする短距離馬へと成長していく。
再度、川田騎手が手綱を握る事となったのが、ダッシャーゴーゴー3歳の夏。北九州記念(G3)に出走したダッシャーゴーゴーは、終始外々を回らされる競馬でスムーズさを欠き11着に惨敗する。
しかし、次のセントウルS(G2)では外国馬グリーンバーディーの追撃を凌ぎ切り快勝。本番のスプリンターズS(G1)を、有力馬の1頭として迎える事となった。
スプリンターズSでは、1枠2番の内枠からスタート。終始内々を回ったレース運びで最後の直線へ入った。レースを引っ張った香港からの刺客ウルトラファンタジーが粘る中、これにゴール前詰め寄ったのがダッシャーゴーゴー。
クビの上げ下げとなったが、最後は「ハナ差」凌いだウルトラファンタジーがこのレースを制した。しかし、2着入線のダッシャーゴーゴーは、まさかの降着。直線で内側に斜行しサンカルロの進路を妨害したとして、4着となったのである。
しかし、この「悲劇」は序章に過ぎなかった。
年が明けた3月、オーシャンS(G3)を川田騎手の騎乗で快勝したダッシャーゴーゴー。これで重賞2勝目となった本馬は、次の高松宮記念に2番人気と多くの支持を集める事となった。
レース序盤の先行争い。7枠13番からスタートしたダッシャーゴーゴーは、先行するべく内へ進路を寄せていく。直線では早め先頭に立つも、最後は粘り切れずに4着惜敗……と思われた。だが、約半年前の「悲劇」は、同じくG1で繰り返される事となる。今度は3コーナーで進路を内に寄せた際、ジョーカプチーノを妨害したとして11着に降着となったのだ。
まさかの、G1で2戦連続の降着……。
その後、約2カ月半ぶりの復帰戦となったCBC賞(G3)。さすがに乗り替わりかと思われたが、安田隆行調教師との師弟関係からか陣営は引き続き川田騎手を鞍上に迎え入れた。
PICK UP
Ranking
5:30更新目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か
名コンビ・吉田隼人×ソダシは「なぜ」解散に至ったのか。D.レーン→川田将雅「勝利至上主義」に走った陣営の裏事情
安田記念(G1)「警報級大雨」でソダシやばし!? ジャックドールと「共倒れ」の危機
- 日本ダービー「69年ぶり」テン乗り制覇の裏で涙をのんだ前任騎手…「この馬の能力を出せず申し訳ありません」ドン詰まり不完全燃焼のリベンジへ
- 「若手の筆頭株」とソダシの元主戦の間に亀裂!? 安田記念(G1)ガイアファースに騎乗も…2人揃ってエージェント変更を迫られた舞台裏
- 安田記念(G1)武豊「マイル進言」も課題山盛り!? 勝てばウオッカ以来14年ぶり…ジャックドールが露呈した「致命的な弱点」とは
- 「武豊×ウオッカ」以来の偉業に挑む戸崎圭太、“府中の鬼”ソングラインの連覇あるか
- 北島三郎オーナーが激怒か……キタサンブラックを「邪魔」したアノ馬に「勝てもしないくせに」?
- JRA藤田菜七子騎手「イライラ爆発」で鬼の形相!? “崖っぷち”先輩騎手の執拗な「嫌がらせ?」に不満隠せず……
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
関連記事
JRA福永祐一「俺も2005年はミルコってたなぁ」スプリンターズS(G1)M.デムーロ連覇の偉業から3年。同じ「レッド」の勝負服で掴み取るのは“白星”か
JRA武豊「乗り替わり」で思い出される「この馬はスプリンターだよ」。 スプリンターズS(G1)横山典弘が21年前に起こした「ノリマジック」
JRAスプリンターズS(G1)ディープインパクトを父に持つキズナを配し短距離王の称号を狙う! 3歳馬ビアンフェ「メイチ」仕上げ!
JRAスプリンターズS(G1)グランアレグリア“血の宿命”には逆らえない? 「コース適性」「レース展開」に大きな不安が……
JRAスプリンターズS(G1)「写真判定12分」着差わずか1cmの死闘! 譲れない戦いを制し、史上初の春秋スプリント王が誕生した96年