JRAインディチャンプ「52戦1勝」の絶望!? 阪急杯(G3)体型“スプリンター化”も……ステイゴールドの血には逆らえない?
28日、阪神競馬場では阪急杯(G3)が開催される。G1馬3頭による争いが予想されるが、唯一のG1・2勝馬で、一昨年の春秋マイル王、インディチャンプ(牡6歳、栗東・音無秀孝厩舎)の走りに注目したい。
これまでマイルを中心に使われてきたインディチャンプ。1400mの経験はデビュー戦と前走の阪神C(G2)の2走だけだ。同日に開催される1800mの中山記念(G2)という選択肢もある中、陣営はあえて阪急杯に矛先を向けてきた。
「インディチャンプ陣営は、昨秋もスプリンターズS(G1)を目標にしたように(中間に右トモを痛め回避)、スプリント路線にも意欲を見せています。研ぎ澄まされた強靭な筋肉、そして一回り太くなった首などを見ても、体型はマイラーからスプリンターのそれに変わりつつあります。
陣営は『血統も1200~1400メートル向き』と距離短縮に色気を見せており、グランアレグリアが君臨するマイル路線よりも、やや層が薄いスプリント路線を見据えるのは必然の流れでしょう」(競馬誌ライター)
陣営が示唆した「短距離向きの血統」というのは母系のことだろう。実際、インディチャンプの半妹アウィルアウェイは、昨年のシルクロードS(G3)を勝ち、スプリンターズSでも3着に食い込んだスプリンターである。近親にも、3歳時に安田記念(G1)を勝ったリアルインパクト、オーシャンS(G3)勝ち馬のアイルラヴァゲインなどがいて、短距離志向であることは間違いない。
インディチャンプ自身も1400mは、デビュー戦で勝利を収め、それ以来となった前走の阪神Cでは、大外を回る距離ロスがあっての3着と結果を出している。今回は前走と同じコースで、うまく立ち回ることができれば、好勝負は必至だろう。
母系は短距離志向ということは分かったが、気になるのはインディチャンプの父ステイゴールドの血だ。産駒はオルフェーヴルやゴールドシップに代表されるように中長距離で活躍するスタミナ型が圧倒的に多い。産駒の芝重賞レースにおける距離別成績を見ても、距離が延びるほど、好成績を残している。
【ステイゴールド産駒、距離別通算成績(芝重賞のみ)】
~1400m 「1-2-8-41/52」(1.9%/5.8%/21.2%)
1500~2000m 「55-44-48-478/625」(8.8%/15.8%/23.5%)
2100m~ 「36-23-19-251/329」(10.9%/17.9%/23.7%)
※()内は左から勝率、連対率、複勝率
1400m以下の短距離重賞は出走数自体少ないが、それでも52戦1勝という数字は壊滅的といえるだろう。ちなみにその1勝はフィリーズレビュー(G2)を勝ったマイネレーツェルだが、その後にローズS(G2)を勝つなど、やはり主戦場は中距離だった。
ただし、複勝率は20%を超え、中長距離のそれとほとんど変わらない。まさに、インディチャンプが前走の阪神Cで見せたような「差し損ねる」競馬が多い印象だ。実際に3着以内11頭の脚質の内訳は、逃げ・先行は皆無で、差し6頭、追い込みが5頭である。
陣営は、高松宮記念挑戦は阪急杯の結果次第と話しているが、前走に続く1400m戦では母系の血が勝るのか、それとも父ステイゴールドの血には逆らえないのか。ステイゴールドが天国に旅立った約2週間後に生を受けたインディチャンプ。スプリント路線で父に新たな勲章をもたらすことはできるか。
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