
JRAカレンブーケドールに「シルバーコレクター」返上のチャンス!? 宝塚記念(G1)「初勝利」の歴史が善戦続きに終止符の期待、戸崎圭太はダノンキングリーの屈辱を晴らせるか
27日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)。グランプリ3連覇を狙うクロノジェネシスとデビューから無傷の6連勝で大阪杯(G1)を制したレイパパレとの対決は非常に楽しみである。
だが、このレースで虎視眈々と戴冠を狙っているカレンブーケドール(牝5、美浦・国枝栄厩舎)も忘れてはならない1頭。同期には桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユー、秋華賞馬クロノジェネシスがいるハイレベル世代だ。
ライバルたちが順調にG1勝利を重ねる一方で、カレンブーケドールは未だにG1タイトルに手が届かないままでいる。これまでG1の舞台で【0.3.1.2/6】とあと一歩のところで栄冠を手に入れることが出来ず、いつしか「シルバーコレクター」と呼ばれるようになってしまった。
同馬にとって最後の勝利は2019年4月のスイートピーS(L)。振り返ればもう2年以上勝ち星から見放され続けているのが現状。そろそろこの善戦続きから脱却したいところだろう。
そんなカレンブーケドールにとって、もしかしたら宝塚記念は千載一遇の大チャンスになるかもしれない。
なぜならこのレースの最大の特徴として、宝塚記念が生涯唯一のG1タイトルや初G1制覇が同レースだった馬が多数いたからである。
1990年代にはオサイチジョージ、メジロライアン、メジロパーマー、ダンツシアトル、マーベラスサンデー、サイレンススズカ。2000年代にはメイショウドトウ、ダンツフレーム、エイシンデピュティ。2010年代にはナカヤマフェスタ、アーネストリー、ラブリーデイ、ミッキーロケットが宝塚記念でG1初優勝を飾っているのだ。
勿論、その後もG1を勝った馬もいるが、宝塚記念以降はG1を勝てなかった馬も珍しくはない。これには紛れの出やすい内回りの芝2200mといった条件や、トップクラスの馬が秋の復帰戦を見据えて回避し、少頭数で行われる傾向も無関係ではないだろう。
だからこそ、裏を返せば少し足りなかった馬が、G1勝利を狙うには絶好の時期と条件ともいえる。
高い能力を持ちながらも同期メジロマックイーンの陰に隠れていたメジロライアンや、テイエムオペラオーに対して惜敗の連続だったメイショウドトウがライバルに一矢報いたのもこの宝塚記念の舞台だ。
そして、天皇賞・春(G1)で見せ場十分の3着にパートナーを導いた戸崎圭太騎手が前走に続いて手綱を執る。
戸崎騎手は今年の安田記念を8番人気で制したダノンキングリーの元・主戦。自身がG1を勝てなかった馬が、川田将雅騎手に乗り替わって勝利した相手はあのグランアレグリア。戸崎騎手にとっては屈辱以外の何物でもなかっただろう。
カレンブーケドールにとってクロノジェネシスは同期、戸崎騎手にとっては川田騎手がコンビを組むレイパパレ。因縁のライバル相手に燃えない理由はないはずだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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