宝塚記念「台風襲来」で波乱!?と、思いきや人気上位のパワフル牝馬たちには問題なし! 荒れ馬場を読んで「エスコート」するグランプリ

週末の予想を楽しむ競馬ファンにとって、天候は頭を悩ませる要素のひとつだ。特に6月は梅雨の影響もあり、雨予報に翻弄され続けているが、今週末は台風も襲来するとあって、さらに混迷を極めている。
しかし、宝塚記念(G1)の上位人気を占める牝馬たちには、そんなことはお構いなしのようだ。
雨と言えば、何と言ってもレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だろう。前走、大阪杯(G1)は雨で荒れた馬場を味方にして、無敗の三冠馬コントレイルと短距離最強馬グランアレグリアを相手に逃げ切り、圧勝してみせた。
鞍上の川田将雅騎手も「この馬場ですから(後続が)伸びてくるのは難しい」と言ったように、前有利の展開になったレースだが、それもレイパパレの荒れ馬場適性を信じていたから出来た戦法だろう。「4コーナーでは後ろを確認して、馬場の真ん中に出していきました」と最後の直線では馬場の良いところを選んで導いた会心の勝利だった。今回は2枠2番、黒い帽子を被った川田騎手は内枠から大阪杯の再現となるか。

クロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も同様に、荒れ馬場を得意とする牝馬である。
昨年の宝塚記念も、稍重のコースの真ん中を走り抜け6馬身差でぶっちぎりの勝利。暮れの有馬記念(G1)も勝ち、グランプリレース自体の適性も高い。5枠7番、黄色い帽子のC.ルメール騎手はディフェンディングチャンピオンに跨り、宝塚記念初勝利となるか。
前述の2頭に比べると荒れ馬場適性は劣るか。カレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)は勝ちきれないレースが続いている。
過去の荒れ馬場でのレースを振り返ると、昨年の京都記念(G2)をクロノジェネシスの2着。ほぼ全頭が内を避けるほどの荒れた馬場状態で開催されたレースだった。牝馬三強では一番外枠の7枠10番オレンジ帽をゲットした戸崎圭太騎手。外枠を利してカレンブーケドールをG1馬にエスコートすることができるか。
しかし、いくら荒れ馬場が得意とはいえ、荒れたコースよりきれいなコースを走る方が勝ちに近づくことは、過去の結果から明らかだろう。
今年は京都競馬場の改修の影響で、例年通りの開催4週目ではなく開催2週目であり、過去の宝塚記念に比べれば芝の痛みは少ないとは思うが、開幕週に実施された先週のマーメイドS(G3)のように、内枠からの先行前残りの可能性があるか、台風の影響で芝にどこまでダメージがあるかの見極めが必要となる。
パワフルな牝馬たちにとっては、雨も台風も“へっちゃら”かもしれないが、我々、競馬ファンにとっては、今週末も空模様に頭を悩ませることになりそうだ。
(文=蓬莱貴生)
<著者プロフィール>
小五でダビスタにハマり競馬と出会い二十余年。馬券よりも浪漫を求めがちだが、WIN5を買い始めから二戦二勝したことが些細な自慢。なお、現在の戦績は数えないようにしている。
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