今、明かされるMリーグ2020白鳥翔・松本吉弘・日向藍子、それぞれの「涙」の理由。多井隆晴「5連闘」轟沈で、まさかの号泣終幕から2ヵ月【渋谷ABEMAS全員集合インタビュー後編】

多井隆晴選手(以下、多井):待ってますよ。僕は「No.1・Mリーガー」とか言われてますけど(レギュラーシーズンの個人通算スコア・+922.1ptは全選手1位)、例えば将棋の藤井聡太くんが羽生善治さんを、競馬の武豊騎手が岡部幸雄騎手を超えてブレイクしたように、僕もそういう若い人が出てきたらドンドン戦いたいですし、ドンドン自分を倒してほしいですね。

僕も手を抜くつもりはありませんけど、できれば誰が見ても「多井より強い」ってわかるくらいボコボコに負かして、追い越してほしいです(笑)。それが麻雀界のためなので。

――麻雀界にも、藤井聡太さんや武豊騎手のような「若き天才現る!」という状況が訪れることを願っている。

多井:大スターって、1人の力だけでは生まれませんから。メディアとか、業界全体が1つになってその人を盛り上げていかないと、全国のみんなが知ってる国民的なスターなんてそう簡単には生まれませんよ。麻雀は個人競技ということもあって「オレが勝てばそれでいい」って思ってる人が多いですけど、もうそういう時代ではないですね。

多井隆晴を超える選手は渋谷ABEMASから現れる?

――先日「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔投手が引退を表明しましたが、プロ野球の世界でも相手チームの選手に引導を渡されたというよりは、味方チームの若い選手の押し上げが引退のきっかけになるケースも多い。そういった意味では、同じ渋谷ABEMASから、多井さんを倒す選手が出てくる可能性もあるんじゃないでしょうか。

多井:そうなるとABEMASはますます強くなっているわけだし、それが理想ですね! 藤田監督もそう思って、僕の後に若い白鳥と松本を獲って、日向を指名したわけですから。僕も彼らには「自分の持っているものを全部伝えよう」って思ってますし、僕を超えるには僕から吸収するのが一番近道だと思います。

――白鳥さんも、やはり松本さんと同じように自身の不甲斐なさが悔しさに繋がったのでしょうか。

白鳥翔選手(以下、白鳥):ほとんどはマツ(松本)と同じ思いですけど、僕の場合少し違って。マツはあの最後の5連闘で、自分が指名されなかったことに悔しさがあるって言ってたんですけど、僕はそこにあまり悔しさを感じなかったんですね。

何が悔しかったかって「自分がマツのように『そこに出たい』という気持ちになれてなかった」こと。「最後はタカハル(多井)に任せておけばいいや」って、ずっと思っちゃってて……。3年も一緒にやってきて、その意識が全然変わってなかったことに気付いたんですね。

同じ選手として痛感した「覚悟」の差

――そこに悔しさがあった。

白鳥:最後、タカハルが戻ってきて「ごめん……」って泣いたんです。麻雀はゲーム的にどんなに強い人でも必ず勝てるわけではないので、僕はタカハルがもし負けても「しょうがない」という気持ちだったのに、タカハルは「ここで勝たないと死ぬ」くらいの覚悟を持って闘ってたんだなと……そんな、自分との意識の差が凄く悔しかったですね。

今までここまで強く思ったことはなかったのに「絶対にこの4人で優勝したい」って思うようになりました。

――お二人とも多井さんが泣かれてるのを見て、溢れるものが抑えきれない様子でしたが、それぞれの涙の理由は少しずつ異なっていたわけですね。

一方で、ファイナルシリーズで逆転の2着に終わったご自身の試合を泣いて悔しがっていた日向さんが、この時は涙を堪えながら周りのメンバーを励ましている姿も印象的でした。

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