JRA「今年0勝」崖っぷち騎手が再び掴んだ光明! 14番人気2着激走アイスバブル「一番考えたし、寝られなかった」あの夜から4年

18日、函館競馬場で行われた函館記念(G3)は、2番人気のトーセンスーリヤが勝利したものの三連単は20万1770円の波乱。夏競馬の中でも屈指の荒れる重賞は、今年も穴党の期待に応える結果となった。
その立役者が、出走16頭中14番人気ながら2着に食い込んだアイスバブル(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)と水口優也騎手だ。
レース後、今回が初コンビとなった水口騎手が「もっと前のポジションを取りたかったが、イメージより後ろになってしまった」と話したが、マイネルファンロンとレッドジェニアルが激しいハナ争いを演じた流れは、1000m通過が58.5秒のハイペース。結果的に、アイスバブルにとっては怪我の功名となったようだ。
これには水口騎手も「ただ溜めた分、スパッとは切れなくてもじわじわと脚を使ってくれました」と、展開がハマったことを好走の一因に挙げている。
そんな水口騎手だが、今年はここまで未勝利と苦戦が続く騎手の1人だ。2010年に美浦でデビューしたものの、騎乗馬に恵まれずに栗東へ移籍。今年で12年目になる中堅だが、JRAの通算勝利は58勝という苦労人である。
そんな“崖っぷちジョッキー”が、人気薄とはいえ、重賞で、しかもディープインパクトなどで有名な金子真人オーナーの所有馬(名義は金子真人ホールディングス(株))に騎乗するチャンスに恵まれた。ただ、この“抜擢”には理由があったようだ。
「ここ3走で手綱を握っていた石川裕紀人騎手が福島で騎乗。今回抜擢された水口騎手はアイスバブルを管理する池江厩舎の所属騎手で、普段から調教をつけていた経験があったのが大きいですね。
また、本人も『昨年、北海道で妹に乗せていただいたので血統的に洋芝が合うと思っていた』と話していた通り、昨夏にアイスバブルの全妹のレースガーデンに騎乗して函館・札幌といった北海道シリーズで4戦2勝の好成績。レースガーデンも金子オーナーの所有馬ですし、好印象があったと思います。
いずれにせよ、水口騎手はセカンドテーブルで悔しい思いをしていますし、今回掴んだチャンスを活かして、今度こそ重賞制覇を決めてほしいですね」(競馬記者)
記者がそう語ったように水口騎手には、かつてセカンドテーブルというお手馬がいた。
『netkeiba.com』のインタビュー企画『今週のFace』に登場した際には「セカンド(テーブル)一色で過ごしていて、大好きでしたね」と語るほど、水口騎手にとって大切なパートナーであり、普段の調教も毎日付きっきりだったそうだ。
そんなセカンドテーブルとのハイライトが、2017年のCBC賞(G3)だ。勝ったシャイニングレイにハナ差まで迫ったものの2着。重賞初制覇を逃したことが悔しくて、インタビューでは「一番考えたし、寝られなかった」と語っている。
結局、セカンドテーブルと水口騎手のコンビは翌2018年のCBC賞でも3着に好走したが、3度目の正直となった2019年のCBC賞前にセカンドテーブルが骨折……無念の引退となった。
「重賞で2着に来たことがあるように力があります」
あれから約2年、函館記念の後、そうアイスバブルを評価した水口騎手。年間未勝利と厳しい状況が続くが、再び掴んだ“光明”が今回の騎乗に違いない。今度こそセカンドテーブルのCBC賞・2着から4年越しの重賞初制覇に繋げたいところだ。(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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