
JRA 武豊「痛恨」アクシデントでキタサンブラックの期待馬がスルリ……、自身も大絶賛していた好素材を奪われた裏事情

5日、東京競馬場で開催された6Rの新馬戦は、内田博幸騎手の2番人気ブラックノワール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)が快勝。4番人気サニーバローズの追撃を3/4馬身差振り切る逃げ切りだった。
「血統馬らしいですね」
2008年の秋華賞馬ブラックエンブレムの好素材が、ジョッキーも絶賛する走りをデビュー戦から披露してくれた。
フルゲート16頭で争われた芝1800mのレース。内田騎手が「スタートが速かったし、トビも大きいから小細工せず前に行った」と振り返った通り、大外16番から好スタートを決めてハナへ。序盤こそ掛かる仕草も見せたが、すぐに折り合う。
1000m通過が1分2秒3と新馬戦らしいスローペースに落とすと、手応えよく直線へ。前残りする展開を味方に、すぐ後ろを追走していた2着馬との競り合いを制した。
「不利な大外でしたが、好発を生かして迷わず主導権を取りました。道中も物見などせずレースに集中していたように、レースセンスもいいですね。直線も追われると、しっかり反応しました。これなら控える競馬でも大丈夫そうです。
5月生まれでデビューも2月まで遅れてしまいましたが、良血馬らしい走りでした。時期的に皐月賞(G1)に間に合うかは微妙ですが、日本ダービー(G1)なら十分間に合うと思いますし、出走してきても驚かない器ですよ」(競馬誌ライター)

一方で、良血馬の勝利を複雑な心境で迎えているのが、武豊騎手かもしれない。なぜなら当初、ブラックノワールは武豊騎手を背に、先月の30日にデビューする予定だったからだ。
「予定していた30日の新馬戦ですが、除外になって5日へスライドすることに。武騎手は既に5日は中京競馬場で騎乗することが決まっていたため、内田騎手に替わりました。
武騎手は、ブラックノワールの中間の追い切りに複数回跨るほど、素質を買っていました。先月26日更新の自身のオフィシャルサイトで『父母ともにG1ホースという良血で、稽古の動きも良くなってきています』と、取り上げていたほどです」(同)
武騎手にとってブラックノワールは、現役時代に主戦を務めたキタサンブラック産駒の1頭だ。かつてのパートナーの産駒で未だ勝ち星がないことや、自身も目をつけていた期待馬が、デビュー戦を完勝したことを踏まえると、先週の除外が残念でならないだろう。
次戦以降の鞍上は明言されていないため、場合によっては武騎手が登板する機会があるかもしれない。ただ、藤原英師と内田騎手は10年のダービー馬エイシンフラッシュのコンビでもある。内田騎手がこのまま継続騎乗する可能性も高いため、今回のすれ違いは、後々響いてくるかもしれない。
藤原英師は『東スポ』の取材に「キタサンブラックっぽいね。(キタサンブラックを管理した)清水久詞調教師とも話したがよく似ている」と答え、今後については「キタサンブラックを参考にするよ。2000メートル以上の馬になるかもしれないね」と、中距離戦へ向かうプランを明かした。
思えばデビュー戦の舞台は父と同じで、デビュー時期も1週違いのブラックノワール。父はデビュー3連勝で皐月賞に駒を進めたが、果たして息子はどのような道を歩むのか。そして、鞍上は誰になるのか。今後も楽しみな1頭だ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
PICK UP
Ranking
17:30更新【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武幸四郎騎手に横山典弘騎手が「絶叫」!? 武豊騎手が明かしたアノ復活劇でのエピソードに見る、弟のキャラクター
関連記事
JRA C.ルメール大本命「どん詰まり」からの大逆転デビュー!? 包囲網に「やってしまったかな…」もディープインパクト譲りの豪脚炸裂!
JRA「抜群の切れ」武豊も大絶賛のブエナビスタ近親がキレッキレ! 桁違いの末脚に調教師も「ジョッキーが上手く乗ってくれた」
JRAシルバーステート産駒“真打ち”が武豊の「悩みの種」に!? 一時はデビューも危ぶまれた「大物候補」と急転直下のコンビ結成!
JRA 武豊が大絶賛の「8冠ベビー」が遂にデビューも……大ショックのアクシデント発生!? 忍び寄る「復帰間近」福永祐一の影
JRA「これ以上ない適任」陣営からもお墨付きの鞍上が最適解!「急造」コンビがオークス2着馬“長女”で満点回答の裏事情