JRA「強行軍」の真相をオーナーが告白! 中山記念(G2)「有力馬」カラテがあえて1800mを使うわけ
JRAは2月末が年度替わり。26~27日の開催をもって、7人の調教師が引退する予定だ。27日に行われる中山記念(G2)には藤沢和雄、高橋祥泰の両調教師が管理馬を送り込む。
コントラチェックなど3頭出しの藤沢和師に対し、高橋祥師はカラテ(牡6歳)で“一頭入魂”。有終の美を飾れるかが注目される。
4頭の中で有力視されているのは『netkeiba.com』の予想オッズで、単勝5倍台の4番人気に支持されているカラテだろう。
前走の東京新聞杯(G3)は、スタート直後にロスがあり、後方からの競馬を強いられた。さらに最後の直線でも前が詰まるなど、不利が重なり消化不良の一戦。それでも、ラスト3ハロンはメンバー2位の33秒9という末脚で3着に食い込み、地力の高さを示した。
今回は1ハロンの距離延長がカギとなるが、『デイリースポーツ』の取材に、高橋祥師は「距離が延びる点については心配していません」と明言。
むしろ心配なのは、前走から中2週というローテーションの方かもしれない。
「もともとカラテは爪に問題を抱えていたようで、昨年のダービー卿チャレンジT(G3)も爪の状態悪化を理由に回避しています。秋にもそれが再発。富士S(G2)も回避しました。
今回で29戦目と数を使われてきた馬。これまで中2週以下という間隔がやや詰まったローテーションの時は【1・0・0・8】と、苦戦しています。もう少し間隔を空けても良かったように思いますが……」(競馬記者)
そんな記者の疑問に答える形となったのがカラテを所有する小田切光オーナーのTwitterでの発言だ。24日夜、「何故ここを使うのかと?質問が多かったので」と切り出すと、「カラテくんは気温が上がり始めると爪が伸びるスピードが早くなり痛がるという持病を抱えています」と告白。
そのうえで「春のマイラーズCや安田記念の前に爪が悪くなる可能性も十分あるので、今の馬の状態の良さ、成長した今ならの1800を試すなど。使うメリットも大きいのです」(原文まま)と、 “強行軍”で中山記念を使う理由を明かした。
「確かにカラテはファンから『冬将軍』と呼ばれるほど、冬場に好成績を残していますからね。今回のツイートですべてが腹に落ちました。そうなると、気になるのは週末の天候ですね。どうやら、かなり暖かくなるという予報が出ていますが……」(別の記者)
レースが行われる27日の中山競馬場周辺の天気は「快晴」、最高気温は15度と予想されている。この冬は厳しい寒さが続いていたが、週末にかけて関東地方は春の訪れを感じさせる陽気となりそうだ。
一日、二日でカラテの爪が一気に伸びるわけではないだろうが、この気温上昇は「今のうちに」というカラテ陣営の決断を後押しするものだろう。高橋祥師にとってラスト重賞でのカラテの走りに要注目だ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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