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現地時間26日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジカップデー。最大の目玉であるサウジC(G1)に出走したテーオーケインズは8着、マルシュロレーヌは6着と振るわなかった。
だが、その他のレースでは大健闘、いや神懸かり的な快進撃を見せたというべきだろうか。
1つ目のネオムターフC(G3・芝2100m)をオーソクレース、2つ目の1351ターフスプリント(G3・芝1351m)をソングライン、3つ目のレッドシーターフH(G3・芝3000m)をステイフーリッシュが制し、日本馬がいきなり3連勝する最高のスタートを決めた。
4つ目のサウジダービー(G3・ダート1600m)は、米G1馬パインハースト相手にセキフウが2着、コンシリエーレが3着に食い込み、5つ目のリヤドダートスプリント(G3・ダート1200m)をダンシングプリンスが制して4勝目を挙げる快挙だった。
振り返れば、この日開催された重賞の全6レース中5レースで4勝プラス3着以内という驚異的な好成績を残したのである。

この歴史的な偉業の最大の立役者となったのは、いまや日本騎手界の絶対的エースとなったC.ルメール騎手だ。勿論、調整が難しいとされる異国の地で、出走馬を万全の状態で送り出した関係者の尽力は言うまでもないが、鞍上がルメール騎手だからこそ、4勝3着1回という離れ業を達成できたといっても過言ではないだろう。
とにもかくにもこの日のルメール騎手は、いつもとは何かが違っていた。
オーソクレース、ステイフーリッシュ、ダンシングプリンスで挙げた3勝はいずれも逃げ切り勝ち。ソングラインは中団待機から外に出しての差し切り、コンシリエーレは好位3番手からの粘り込みと、全体的に積極的な位置取りでの騎乗が好結果を導いた。
その一方で、神騎乗を連発したルメール騎手のモチベーションアップに一役買ったのが、世界最高ともいわれるサウジカップデーの超高額な賞金かもしれない。
中央競馬における騎手の賞金配分5%に対し、サウジカップデーの場合、その2倍となる10%。ただでさえ日本のG1に匹敵する賞金が倍増する。
つまり、グレードこそG3でありながら賞金的にはG1・4勝相当に値するのだ。しかも日本の2倍なのだから実質G1・8勝に近い金額をルメール騎手は手にしたことになる。
ちなみに気になるその金額は、150万米ドルのレッドシーターフHを筆頭に、90万米ドルのネオムターフC、1351ターフスプリント、リヤドダートスプリントに3着だったサウジダービーの15万米ドルを加えた計435万米ドル。日本円に換算すると約5億円なのだから、これはもう驚くなという方が無理な話だろう。
「日本のG1レース最高賞金は有馬記念とジャパンCの3億円です。今年からともに1億円増額されますが、昨年の金額で計算すると5%は1500万円。サウジの1日でルメール騎手が約5000万円稼いだとすると、有馬記念を3回勝ってもお釣りがくる計算になりますね」(競馬誌ライター)
言われてみれば、G1級の賞金に匹敵するG3を4勝3着1回した上に日本の2倍なら納得もいく。
日本競馬で昨年から重賞を19連敗中の騎手と同一人物とは思えない大活躍だった訳だが、海外競馬とはいえ不名誉な記録のストップに成功したルメール騎手。これで完全復活となるのか、それとも日本ではまた元通りとなってしまうのか。
春を前に真価を発揮した名手が見せる、復帰後の騎乗ぶりに注目したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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